展覧会遠征 大阪ライブ編41
今日は大阪で開催されるフランクフルト放送交響楽団のコンサートに出かけることにした。仕事を早めに終えると大阪に直行、夕食は駅前ビルの地下の「紋次郎」で「特製つけ麺(980円)」を注文。もっちりした麺が相変わらず美味いが、今回はそこに具が増量されているのでなかなか食べ応えがある。
夕食を終えるとフェスティバルホールへ移動。ホール内はかなりの観客が詰めかけており、一階を見る限りではほぼ満席である。
フランクフルト放送交響楽団
指揮:アンドレス・オロスコ=エストラーダ
ピアノ:チョ・ソンジン
曲目/ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」
一曲目のワーグナーからオケの上手さが光る。弦はしっとりとして艶があり、管は華やかで安定している。管をバリバリ鳴らしても破綻することがないから、演奏が非常に格好の良いものになっている。
ラフマニノフについてはチョ・ソンジンの名人芸に尽きる。冒頭からその演奏のダイナミックレンジの広さにゾクッとさせられるが、終始一貫ダイナミックで非常にロマンチックな演奏である。ただ結構溜やテンポの揺らしを使うので、バックのオケとのテンポがギリギリのところがあり、一歩間違うと破綻する寸前の非常にスリリングな演奏であった。しかし今まで聴いたラフマニノフの中で最もロマンチックな演奏であった。
新世界はエストラーダが本領を発揮した演奏。とにかく小技の多い指揮者で、細かいテンポの揺らし(時には止めまで行う)に激しい強弱など、とにかく個性的で変化の多い演奏。しかし一番凄いのはこの細かい指揮に一糸乱れずについていくオケの技倆。エストラーダは指揮姿もまるで踊っているようだが、彼が指揮するとこの曲に秘められた舞踏のリズムのようなものが表に出てきて、今までとはかなり違った印象の新世界になっている。
そしてエストラーダがまさにその真価を発揮したのが、アンコールのスラブ舞曲。エストラーダは指揮台の上で終始踊っていたが、音楽そのものもまさに踊っている。極めてノリの良い演奏であったのである。
このオケは3年前に一度聴いているようだが、その時の印象は「イマイチ」というものだった。管がバリバリとうるさいのに弦が前に出てこないというようなことを書いているが、今回に関してはそんな印象はなく、むしろ緻密で艶のある弦の音色に驚かされた。今回は16編成の2管ということで弦楽セクションが前回よりも強化されていたことが効いたのか、それともこの間に技倆の向上があったのか。なおエストラーダのノリの良さは相変わらずだったようだが。とにかくこういうことがあるから、ライブは面白い。
場内は大勢の観客でごった返していたので、帰りにホールから出るのが大変だった。このホールは出入りがしにくいのが最大の弱点。この前の新幹線の事件のようにいかれた輩が刃物を振り回すようなことがあったら逃げることが出来ないのではないか。そういう事件を防ぐために、不逞の輩は事前に入場させないようにしてもらいたいところだが。
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