展覧会遠征 関西オペラ編
この週末はオペラ三昧である。まずは滋賀まで出向いて指輪の第二夜。昨年は「ラインの黄金」が上演されたが、今年はいよいよ「ワルキューレ」。
昼食は京都で。東洋亭に立ち寄ろうかと思ったのだが、私の到着時には20人近くが店の前で行列している状態。そんなに待っている時間がないので、近くの「もり平」でカツ丼を昼食に摂る。内容的にはCPを考えるとイマイチ。そろそろこの辺りの店も明暗がハッキリ分かれ始めている模様。
昼食を終えると「西尾」の喫茶で抹茶パフェを頂く。八つ橋なんかも入った西尾らしいパフェ。内容はまずまず。
昼食を終えるとJRと京阪を乗り継いでホールへ。大ホールは大入り満員である。
ワーグナー作曲『ワルキューレ』
指 揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)
演 出:ミヒャエル・ハンペ
ジークムント:アンドリュー・リチャーズ
フンディング:斉木健詞
ヴォータン:ユルゲン・リン
ジークリンデ:森谷真理
ブリュンヒルデ:ステファニー・ミュター
フリッカ:小山由美
ゲルヒルデ:小林厚子
オルトリンデ:増田のり子
ワルトラウテ:増田弥生
シュヴェルトライテ:高橋華子
ヘルムヴィーゲ:佐藤路子
ジークルーネ:小林紗季子
グリムゲルデ:八木寿子
ロスワイセ:福原寿美枝
管弦楽:京都市交響楽団
オケ(京都市交響楽団)が頑張ってかなりバリバリと鳴らしていたのが目立つ。おかげてかなりスケールの大きなオペラとなったが、声楽陣がやや音量負けしている傾向も見られたのが残念なところである。
前作の時から映像を使用した演出が多用されているが、本作ではその演出が前回よりもツボにはまっていた。冒頭での吹雪の描写、ラストでの炎に囲まれるブリュンヒルデのシーンなど、なかなかの迫力の場面となっていた。
声楽陣ではやはり存在感のあったのはヴォータンのユルゲン・リンだろうか。この物語の根本原因でもある堂々たる卑怯者をなかなかの迫力で演じていた。気になったのはブリュンヒルデのステファニー・ミュターのやや線の細さ。気高き女戦士の迫力がもう少し欲しかったところ。
満場の喝采の中で上演が終了した時には午後7時を回っていた。午後2時開演から5時間。さすがにとんでもない大作である。さすがに私も体調の悪さもあって少々疲れた。大津駅まで直行バスで帰ろうかと思ったが、バス停は長蛇の列。多分バス2台がピストン輸送だろうが、あれだとバスが戻ってきても乗れるか怪しいし、乗れたとしても寿司詰めだろうからバスを諦めて京阪で膳所から移動することにする。
明日は大阪でMETのライブビューイングに行くつもりなので、今日は新今宮で宿泊することにしている。とりあえず大阪まで移動すると、ホテルに入る前に夕食。大阪第2ビル地下のロシア料理店「MOCKBA+7」を訪れる。本当はコースの類いを注文したかったのだが、残念ながら8時30分現在ではもう終了とのこと。仕方ないので「ボルシチ」に白パンをつける。
ボルシチと言えば別府の馬家溝のが食べたくなるところなのだが、ここのはあの肉々しいものとは違って、ほとんどトマトスープというようなあっさりしたもの。さっぱりしたサワークリームを混ぜることでコクを出している。これはこれで美味くはあるのだが、さすがに夕食のメインとしてはかなり不足である。また今度機会があれば出直そう。
さすがにあれだけでは夕食として不十分なので次に「麺屋楼蘭」に立ち寄って「焦がし味噌ラーメンチャーシュー入り(900円)」を頂く。
かなり見るからに毒々しいラーメンだが、その見た目に反して意外とあっさりである。なおよく混ぜて食べないとスープが分離しているから注意が必要。その名の通りの焦げ臭みが好みの分かれるところではある。
夕食を終えるとホテルへ。今回宿泊するのはホテルサンプラザ2。例によっての新今宮の安宿。アネックスは何度か宿泊したがこちらは初めてである。部屋は禁煙洋室であるが、さすがに狭い。それとこの辺りのホテルでは普通であるが、外の音がダダ漏れなのでもし中国人の団体などとでも出くわすとかなり悲惨なことになる。
ホテルはベッドで一杯の狭い部屋 チェックインをするとしばし風呂待ち(風呂の定員が3名ほどでかなり狭い)。ようやく入浴して汗を流すと、テレビで放送していたCGバリバリのエジプトネタの映画を少し見てから就寝するのである。
☆☆☆☆☆
翌朝は8時に起床。体がだるい。ここのところの酷使でかなりガタが来ている模様。それに昨晩何度か外で大きな音があってその度に目が覚めることがあった。まあこの手のホテルでの宿命ではある。
朝になってから昨日朝食を買い込んでなかったことに気がついた。とりあえず9時頃に荷物をまとめてチェックアウトすると、梅田の映画館に向かう前に途中でセブンイレブンでおにぎりを買い込んでこれがこの日の朝食。
映画館ではやや狭めの上映室があてがわれていた。以前にここに来た時にガラガラだったからだろう。しかし今回はこの上映室が満員の状態。METのライブビューイングは尻上がりに観客が増えてきている気がする。開催されていることを知らなかった者も少なくないのだろう。なおこの上映室、映像はともかくとして音が悪すぎるのが不満。
METライブビューイング ドニゼッティ「愛の妙薬」
指揮:ドミンゴ・インドヤーン
演出:バートレット・シャー
出演:イルデブランド・ダルカンジェロ、マシュー・ポレンザーニ、プレティ・イェンデ、ダヴィデ・ルチアーノ
今まで悲劇ものが多かったライブビューイングだが、今回はドニゼッティの軽妙な喜劇である。だが喜劇と言いながらも有名なアリア「人知れぬ涙」など美しい旋律も実に多い。
歌唱陣の蒼々たる活躍が印象に残るところ。アデーィナのプレティ・イェンデの超音波ボイスも凄いし、繊細であなりながら天然ボケのようなところもある複雑な青年ネモリーノをマシュー・ポレンザーニが好演した。そして何と言っても一番の曲者・ドゥルカマーラを演じたイルデブランド・ダルカンジェロの怪演は圧巻の一言。
短めの軽い内容のオペラであったが、それだけに楽しさもひときわであった。METの場内が大盛り上がりになっていたのも納得の内容。
「人知れぬ涙」を聞くと、私の頭はすぐに「バシュタールの惨劇」になってしまう。相当強烈にインプットされてしまっているようだ。ちなみにワルシャワフィルというキーワードでも同様の反応をしてしまう。
オペラ三昧の週末はこれにて終了。また明日からは仕事である。ひたすら気が重い。
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