展覧会遠征 京都編15

 

 この週末は京都市響の定期演奏会に出かけることにした。日曜の昼前に家を出ると、まずは大阪に立ち寄り。ここの美術館も何回も来ているところ。


「奈良 西大寺展 叡尊と一門の名宝」あべのハルカス美術館で9/24まで

 西大寺に纏わる名品を展示・・・なのだが、残念ながら寺院関係にあまり興味があるとは言えない私には、特別に印象に残る展示品もなかったと言うところが本音だったりする。


 美術館の見学を終えると昼食を摂ることにする。入店したのはMIOの「グリルマルヨシ」「ビーフカツランチ」を注文。例によって過不足のない内容である。

 京都へ向かう。今日は今までよりも暑さがマシなので楽である。


京都市交響楽団 第616回定期演奏会

 

[指揮]ジョン・アクセルロッド

 

武満徹:死と再生〜「黒い雨」より

R.シュトラウス:交響詩「死と変容」op.24

ベルリオーズ:幻想交響曲op.14

 

 一曲目は弦楽だけの曲だが、武満にしては分かりやすい曲。普通の弦楽セレナードとして楽しめるが、美しいが非常に淡々とした曲である。この辺りに武満徹の想いが込められているのだろう。

 二曲目はR.シュトラウスの複雑な曲。煌めく音色には時々ハッとさせられるのだが、どうも演奏自体がややゴチャゴチャとしてしまったきらいがある。

 三曲目は有名な曲であるが、アクセルロッドの指揮は音色を重視したような印象がある。テンポや強弱にかなりメリハリをつけているにも関わらず、演奏自体はやや淡泊に感じられる。個人的にはこの曲は弦楽陣がもっとネットリと色気を出した方が良いように思えるのだが、アクセルロッドの演奏はそこのところがかなり薄味で、場合によって古典的な交響曲に聞こえる局面もある。一方で管楽器はガツンと前に出させるので弦が弱い印象を受ける。そして一番の違和感があったのが、かなりテンポを落として演奏してきたこと。そのために第三楽章などでは緊張が切れて弛緩してしまったように感じられた。第四楽章、最終楽章ではかなり爆音でガンガンと鳴らしてきているのだが、これが鳴らしっぱなしという印象で、緊張感にやや欠ける単なる空騒ぎに聞こえてしまった。

 トータルとして私には違和感の強い演奏であった。京都市響の演奏に乱れはないし、アクセルロッドの指揮にしても悪いと言うべきものではない。しかしながら、どちらかと言えばテンション系の演奏を好む私には相性の悪いタイプの演奏であることは否定できない。善し悪しと言うよりも、純粋に好き嫌いの問題になってしまう。


 コンサートを終えると京都から新幹線で帰宅する。しかし新幹線の発車時間がもうすぐだというのに最寄りの改札は閉鎖中。何があったんだと思いながら遠回りして改札をくぐると、今度は構内が規制中で動きがとれない。どうも皇室か総理かは分からないが、VIPが京都に来ることに備えた警備のようだ。しかし私のようなド平民には迷惑なだけ。とりあえず新幹線の発車時刻まで2分ほどしかない旨を告げて横切らせてもらう。こういうことはたまにあり、以前もどこかの駅で皇太子を間近に見たことがある。結局この日はVIPの巻き添えでドタバタと帰宅することになったのである。

 

 

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