展覧会遠征 京阪ライブ編2

 

 この週末は京都のコンサートである。これは以前から計画されたもので、宿泊ホテルもチェックイン四条烏丸を確保済み。後は粛々と計画を実行するだけと思っていたのだが、この週末に私が京都に行くと聞いた会社の後輩が一言。「この週末の京都は滅茶苦茶混雑すると思いますよ。」「いや、京都が混雑するのなんていつものことだろ。」「いやー、だからこの週末は祇園祭ですから。」「えっ?!」

 

 祭りというものにとんと興味のない私は、祇園祭のことなんか全く知らなかった次第。そう言えばこの週末のホテルはいつになく宿泊料が高かったっけ・・・。

 

 混雑を警戒して午前中に京都に到着する。ここまでの新快速は、やけにテンションが高くてやかましい中国人などはいたが、そう異常な混雑ぶりではない。ここから地下鉄で宿泊ホテルのある四条へ。今のところは地下鉄はいつもの通りの混雑。

 

 ホテルに到着すると荷物を預けるつもりだったが、もう部屋に入れるというので部屋に入って休憩することにする。シャワーで汗を流してから、サイエンスZEROの再放送を見ながらマッタリ。南沢奈央がこの番組のアシスタントになってからかなり経つが、やはりこの子は芸能人としては印象が地味で決定的に華がない。ただコメントなどを聞いていると、芸能人にしては珍しいほど賢いように思われる。結局はなんだかんだ言っても、嫁にするとしたらこういう子が良いんだろうな。

 

 1時になったところでホテルを出ると、昼食を摂ってからホールに向かうことにする。しかし四条駅の地下の飲食店はどこも満員状態。今までこんな混雑を見たことがない。祇園祭の影響が早くも現れているか。たまたま空いていた「そじ坊」を見つけてここで昼食にする。ちなみにここも私の後に続々と客が来て順番待ちの状態に。間一髪であった。

 この日の昼食はなめこそば


京都市交響楽団 第614回定期演奏会

 

広上 淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)

ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン)

 

ブラームス:大学祝典序曲op.80

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61

ブラームス:交響曲第3番ヘ長調op.90

 

 一曲目の大学祝典序曲は広上がいかにも祝祭的な派手や演奏をしてきたが、音量がやや飽和気味でゴチャゴチャしてしまった印象。

 ベートーベンのバイオリン協奏曲については、ズーカーマンのバイオリンがさすが。特に弱音の美しさは特筆もの。音量が下がっても強い音色でしっかりと心に届く。この辺りは単にテクニックだけで押してくるようなバイオリニストと一味違う。

 ラストのブラームスの三番はダラダラと演奏すれば極端に眠たくなる曲であるが、広上はかなりメリハリのついた明快な指揮で聴かせてきた。京都市響のアンサンブルもしっかりと安定しており、京都市響の技量の高さも示すまずまずの演奏となっていた。


 総じて問題なしの演奏であるのだが、どうも最近の京都市響の演奏はガツンと来るものがなくなっているように感じられるのが不満なところ。大フィルの方が明らかに技術的には劣っているにも関わらず、たまにガツンと来る演奏があるのと対照的。大フィルは多様な指揮者を起用するので、大ハズレすることもあるのだが、その一方で普段にはないようなすごい演奏もたまにある。広上の手兵として技量を上げてきた京都市響だが、既に技量としては関西で一番となった以上、さらに一段の脱皮を図るにはこの辺りでそろそろ多様化を図った方が良いのかもしれない。

 

 コンサートを終えたところでホテルに戻ることにする。しかし地下鉄に乗り込んだら車内アナウンスが。四条駅のホームが大混雑しているので、四条で降りる人は一駅手前の烏丸御池で降りてくれとのこと。祇園祭の影響がいよいよ直撃したようだ。

 

 烏丸御池から表に出ると、既に露店がスタンバっている状態。まだ道路を車が走っているが、これはまもなく規制がかかるのだろう。死にそうに暑い京都の町を、人混みをかき分けながらえんやとっととホテルに向かう羽目になったのである。

 既に露店が並び始めている

 ホテルに戻ると汗だくなのでとにかく入浴。夕食を摂る必要があるのだが外に出かける気にはならないので、ホテル内のレストランで摂ることにする。トンカツに鳥すきの一人鍋に冷や奴とご飯の組み合わせ。一品が300円均一なので、以上で1200円。CPとしてはなかなかである。

 夕食を終えたところで祭りで盛り上がっている町中に繰り出す。道路脇には露店が建ち並んでいるだけでなく、各商店も店頭販売などを行っており、コンビニも店頭で唐揚げやコロッケなどを販売している状況。とにかく人通りが異常に多いので、各店ともこの商機を逃さじとばかりに必死である。

とにかく人混みがすごいが、長刀鉾周辺は特にひどい

 有名な長刀鉾なども据えてあり、その辺りからはトンチキチンという鉦の音が聞こえてきているのだが、この辺りが人混みが一番ひどく、一方通行になっているのだがつかえて前に進めない状態。かといって一方通行なので逆戻りも禁止。ここを抜けるところでどっと疲れてしまったので先に進む気にもなれずに引き返すことに。暑くて仕方ないのでホテルの近くで宇治金時ドーピング。結局は祭りを楽しむと言うよりも疲れるだけだった。

 結局はこれを食べただけ

 部屋に戻るとベッドの上でゴロゴロ。結局この日はこの後はこのようにダラダラと過ごすことに。

 ホテルの部屋の窓からの風景です

 

☆☆☆☆☆

 

 

 翌朝は8時に目覚ましで起こされた。どうも昨晩はよく眠れなかったようで体がだるい。最近はどうもこういう目覚めが多く、いわゆる睡眠力の低下を痛感している。体も明らかにどこかが悪いようなのだが、それがどこか全く分からない。困ったものだ。

 

 とりあえずシャワーで目を覚ますと、朝食は昨日夕食を摂ったのと同じレストランでバイキング。京和食中心のバイキングは悪くない。

 

 朝食後はそのままチェックアウト時刻の11時手前までベッドの上でゴロゴロ。「目がテン」を見て過ごす。今回は住民の幸せ度がNo1の県こと福井がテーマ。それはともかくとして2番手が毎日どこかで飛び込みテロが発生している東京というのはどう考えても間違いだろう。いったいどういう基準で順位を付けのだか。

 

 11時前にホテルをチェックアウトすると阪急で大阪に向かう。コンサートは2時からなので、それまでに昼食を摂って一服しようと考えるが、どうも食欲がいまいち。そこでまずはお茶でもするかと「つる家」「和パフェ」で一服。

 ここで1時前まで時間をつぶしてから、西梅田からフェスティバルホールに移動して・・・などと考えつつ、フェスティバルホールのHPを確認したところでおかしなことに気づく。フェスティバルホールでコンサートがない? コンサートがあるのはザ・シンフォニーホールが正解で、なぜか私はそれをフェスティバルホールと勘違いしていたようだ。これは焦った。時間ギリギリにフェスティバルホールに行っていたら、ホール前で呆然とするところだった。まだ時間に余裕があるのと、ザ・シンフォニーホールとフェスティバルホールの距離があまり離れていないのが幸いだった。これが京都や西宮と間違えていたら悲惨なところだった。どうも昨今はこういう注意不足が目立つ。チケットは何度も見ていたし、スケジュールメモにもザ・シンフォニーホールと明記してあったのだが、思い込みのせいで目に入ってなかったということ。典型的なヒューマンエラーのパターンを踏んでいた。

 

 喫茶を出るとホールに向かう。途中でうどん屋で軽く昼食。暑いのも食欲が今ひとつの理由か。ぶっかけ冷うどんを頂く。

 ホールの入りは6〜7割というところ。S席の良くない席が売れ残ったようである。


デトロイト交響楽団 日本ツアー2017

 

[指揮]レナード・スラットキン

[ピアノ]小曽根真

[管弦楽]デトロイト交響楽団

 

バーンスタイン:「キャンディード」序曲

C.マクティー:ダブルプレー

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 op.36

 

 まず驚かされるのはその圧倒的な音量。大フィルなどと同じ14編成なのに、なぜこれだけの音が出るのかと驚かされるような音量である。しかしただ単に大音量でがなっているのではなく、響きが分厚くてドッシリしている。管の華々しさが特に目立つが、それを支える弦がドッシリと存在感と安定感があるので音色が軽薄にならない。

 正直なところ近代アメリカ音楽は私にとってはあまり興味のあるジャンルではないのだが、デトロイト響のこのような演奏で聞かされると、興味がなかったはずの曲が非常に面白く聞こえる。一曲目のキャンディードも二曲目のダブルプレーも華々しい多彩な音色で退屈することもなく楽しめた。

 三曲目のラプソディ・イン・ブルーは小曽根の自在なピアノ演奏も冴え渡った。スラットキンの茶目っ気のある演奏に、小曽根の軽快なピアノが絡み合って、かなり魅力的な演奏となった。

 チャイコの4番に関しては、いかにもアメリカのオケと言うべきか。ロシア的な陰鬱さや土の臭いが皆無。冒頭の金管などはそのまま華々しいファンファーレとなっていて、万事がその調子。チャイコフスキーインターナショナルエディションとでも呼ぶべきか。ただチャイコフスキーの曲からロシアの土俗的な要素を省くと、ロマン派の要素だけが強烈に残ったという印象。これだけロマンティックなチャイコフスキーは初めて聴いた。ロシアのオケの演奏などと比べると違和感はあるが、これはこれで一つの世界としてありだと感じた。


 かなり盛り上がった演奏会だが、それに決定的に火をつけたのはアンコール二曲目。これを大阪で演奏するのは反則技だと思うが・・・。帽子まで用意していたのにはまいった。さすがにスラットキンは指揮者としてだけでなく、ショーマンとしても一流である。盛り上げ方のツボを知っている。全体的にサービス精神満載のコンサートであった。

 この日のアンコール曲

 

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