展覧会遠征 大阪ライブ編26
怒濤の一週間のせいで体のあちこちに疲労が残っている今日この頃だが、インバルがマーラーを演奏するとなると見過ごすわけにもいかず、今日は大フィルのコンサートに行くことにした。
仕事を終えると大阪まで移動。食欲が今ひとつなので「えん」で出汁茶漬けを頂いてからホールへと急ぐ。
大阪フィル第502回定期演奏会
<指揮>エリアフ・インバル
モーツァルト/交響曲第25番 ト短調 K.183
マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調
モーツァルトに関しては、開始早々冴えない演奏との印象を受ける。アンサンブルに今ひとつ精密さを感じさせない上に、致命的なのは調子はずれのホルン。終始上ずったような音程で耳障りなことこの上ない。結局は最後までこの調子で、極めて精彩に欠く演奏に終始した。
これはわざわざやって来たのは大失敗だったかと思い始めたのを完全に覆したのは休憩後のマーラー。先ほどのグダグダぶりを払拭するかのような豪快な金管に、弦のアンサンブルは曲が進んで行くにつれて集中力を増していく印象。大フィルの演奏力の限界がチラホラと覗える部分もなかったではないが、最終的には普段にないぐらいの壮大な演奏となった。
演奏終了後は場内はいつにない盛り上がりであったが、それも当然であるような演奏であった。さすがにインバル、侮りがたし。
最初のモーツァルトは「?」だらけだったが、メインのマーラーはさすがであった。インバルが振るだけで大フィルの音がここまで変わるかと感心した。先日のロジェストヴェンスキーといい、やはり巨匠と言われるような人物は侮りがたい。願わくは今回のような単発の客演でなく、インバルがもっと深く大フィルと関わり合ってくれれば、このところ低迷が久しいと言われているこのオケも格段にレベルアップするだろうが・・・。まあこれは願っても叶わないことだろう。しかしデュメイの関与で劇的にレベルアップしたと言われている関西フィルなどを見ていると、大フィルもオーケストラビルダーの才能を持つ指揮者の関与が必要であることは明らかではある。
結局のところ、前半のモーツァルトは完全になかったことになり、満足して家路についたのである。
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