展覧会遠征 京都編13
昨日は車で神戸方面に出たところだが、今日は青春18切符を握りしめて京都へと向かうことにした。降り立った京都駅は目眩のするような灼熱地獄だが、それにも関わらず観光客がやたらに多い。
京都に到着するとまずは地下鉄で東山に移動。この地区の美術館に立ち寄る予定だが、その前に昼食を摂りたい。入店したのはいつものように「御食事処明日香」。やはり京都の夏らしく「ハモ天ぷら定食」を注文。まさに夏の京都の風味である。
昼食を終えると京都市美術館へ。美術館内はかなりの混雑。意外と人気があるんだな、ダリって。
「ダリ展」京都市美術館で9/4まで
ダリの作品をその初期から展示。初期にはお約束のようにキュビズムにかぶれた時期もあるのだが、そこからシュルレアリスムに開眼する過程が覗え、その後はひたすら多重イメージの不思議絵画の世界になる。
また本展ではダリが手がけた舞台装飾や装飾デザインなどといった珍しいところも展示されている。舞台に関してはいかにも20世紀的な現代演劇といった趣で、当時極めて斬新であったであろう舞台芸術が今ではむしろレトロに見える。装飾品については、絵画だと結構不気味にも見えるダリワールドが、装飾品だと意外にしっくりくるというのも新たな発見である。
いろいろな角度から多面的にダリワールドを体感できるのが本展。展示作品数も多く、なかなかに見応えのある内容である。
かなり内容の濃い展覧会であった。館内が大混雑でじっくりと見ることが出来ないのが最大の難点。また今回は時間的余裕がそもそもなかったことあって、さらに駆け足な見学になってしまったのが残念であった。
当初予定ではもう一カ所立ち寄るつもりだったが、この時点でとてもそんな時間的余裕がないことが明らかになったことから、直ちにホールに向かうことにする。
京都市交響楽団第603回定期演奏会
ユージン・ツィガーン(指揮)
シューベルト:交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」D.759
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
かなりメリハリの強い演奏。フォルテッシモなどは音が割れても気にせずにガンガンとぶっ飛ばしてくる。普段の京都市響はここまではやらないというようなワイルドな音が出ている。シューベルトの未完成に関してはこんなに激しい未完成を聴いたのは初めて。シューベルトがまるでマーラーのように響く。ただこういう演奏をされると改めてこの曲が「未完成」であることを感じさせられた。この後に軽快なスケルッツオと壮大なフィナーレが付いて欲しいような気がしてしまうのである。こんな感覚は初めて。
マーラーも同様の演奏で始まった。とにかく最強音が凄まじい。そこから一気に落としていく落差の大きい演奏である。ただ惜しむらくはマーラーの5番はいかにも長い。強奏時には緊張感が高まるのだが、それが弱奏時になるとプツッと切れてしまうことが何度かあった。
ツィガーンの指揮は動作も大きく腕の流れが非常に流麗であり、演奏の意図も実に明快である。今後さらに経験を積んでいくことでカリスマ指揮者になる素質が十分にあるように思われた。
なかなかに興味深い演奏であった。ツィガーンは今後に注目する必要がある指揮者である。指揮の見た目が格好良く、それでいて表現に内容が伴っているから、今後これから出てくる指揮者というような印象を受けた。
これで今日の予定は終了。それにしてもやはり京都は暑い。かなり疲れてしまった。今年の夏はキツい。
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