展覧会遠征 大阪ライブ編15
この週末は美術館の見学とライブの掛け持ちをすることにした。最初はまず美術館から。
「生誕180年 富岡鉄斎−近代への架け橋−」兵庫県立美術館で5/8まで
京都生まれの文人画家・富岡鉄斎は、神官の傍ら画業を重ねて多くの作品を世に送り出している。本展ではその富岡鉄斎の作品を紹介すると共に、彼の絵画によって影響を受けた梅原龍三郎、中川一政などの作品も合わせて紹介する。
例によって鉄斎の絵画は極めて自由奔放で大胆であり、またその境地が晩年に向かうにつれてさらに凄みを増していくというのが圧巻なのであるが、この鉄斎の表現に影響を受けたのが印象派後の日本人洋画家達というのが興味深い。いずれも大胆な色彩で描いた画家たちであり、彼らには鉄斎の自由な表現が共鳴したということだろう。
まあとにかく、謎のパワーが漲っているというのが鉄斎の絵の特徴。それを堪能するだけでも出かける価値はありである。鉄斎の富士の絵を見ていると、何やら自分も登ってみたくなってくるから不思議である。
美術館の見学を終えるとザ・シンフォニーホールへ移動。いつもの駐車場に車を置くのだが、何と今月末でこの駐車場は閉鎖とか。恐らくビルでも建つんだろう。さて来月から駐車場をどうしよう。
駐車場のことは頭が痛いが、とりあえず昼食を摂ることに。いつもの「Da-Wa」で「アンガスハラミステーキのランチ(1000円)」を頂く。肉は軟らかくてなかなか。
昼食を終えるとホールへ入場。
日本センチュリー交響楽団 第207回定期演奏会
[指揮]飯森 範親(日本センチュリー交響楽団首席指揮者)
[ピアノ]ヤン・イラーチェク・フォン・アルニン
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18
チャイコフスキー:交響曲「マンフレッド」 op.58
一体何回目のラフマニノフのピアノ協奏曲第2番だろうか。今回のソリストはかなりのテクニシャン系であるが、演奏にやや硬さがある。ラフマニノフのこの曲の場合はもう少し柔軟な色気のようなものが必要に感じられる。
さてチャイコフスキーのマンフレッドだが、チャイコフスキーの交響曲の番外編であるが、いわゆる交響曲全集で入っている例はあまり見ない曲である。しかし交響曲とは言うもののその構成はもっと緩く、連作交響詩のような雰囲気がある。一応は同一主題の使い回しで統一感は保っているものの、各楽章の連結も弱い。そして何よりも冗長に過ぎるというのが実際のところ。6曲の交響曲と比べると明らかに作品としての弱点が多く、普段余り演奏されないのも納得できるところがある。
さて飯森−センチュリーの演奏だが、飯森らしく劇的なメリハリをつけることを意識した演奏ではある。それはある程度効果は上げているのだが、先のような曲自体の弱点がもろに出てくるために、往々にしてうるさいだけで盛り上がりはしないということになりがちなのが残念。
チャイコフスキーの珍しい曲を聴いてみようということで出向いたのが今回なのだが、正直なところ曲自体が今ひとつだったというのが本音。有名な曲というのは伊達に有名なだけではないということなんだろう。
これで今週末の予定は終了、日の暮れかかった高速を家路へと急ぐのである。
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