展覧会遠征 和歌山編2
いよいよ年の瀬であるが、今年も仕事における過酷な状況などから心身共に疲労が溜まっている。そこで年末に向けて恒例の「温泉で保養」をメインとした遠征を組みたい。
近場で温泉と言えば有馬だが、これは高いだけで面白くない。岡山は今年はすでに行っている。城崎などは有馬と似たようなもの。となると後は和歌山周辺かなという考えに至る。和歌山と言えば白浜温泉などがあるし、また山間部に行くといろいろな名湯が控えている。これで大体決まりかなと考えていたところで、私の考えを後押しするように楽天トラベルで安倍内閣の人気取りバラマキ政策の一環である地域振興宿泊補助券がばらまかれたのでそれを利用することにした。
日程としては金曜の午後に半日休暇を取って白浜温泉で一泊。翌日は新宮に移動してそこでレンタカーを借りて那智滝を見学してから川湯温泉で一泊というところで決定した。華厳滝や袋田の滝は見学したが那智滝はまだ行ったことがないので、この際に見学しておきたいという考え。わざわざ新宮まで回るのは那智滝に立ち寄るためで、新宮から行ける温泉地で興味が湧くところというところで川湯温泉が浮上した次第。なお今回は立ち寄り地は那智滝しか組み込んでおらず、美術館もコンサートもない完全な保養旅行パターンである。
金曜の午前の仕事を終えると直ちに移動する。新大阪で287系の特急くろしおに乗車、特急くろしおは特急はるかも使用する貨物駅経由のバイパス線を経由して大阪駅をすっ飛ばして天王寺に向かう。福島駅脇ではいつも見慣れた踏切を通過。今まで大抵は踏切のあちら側でたまに通過する特急はるかをボーッと眺めているのが常だったが、こちら側に来るのは何となく奇妙な感覚もある。
福島を過ぎて環状線に入ると目に見えて列車のスピードが落ちる。列車はトロトロ運転のまま天王寺に到着。ここから阪和線に入るとスピードがやや上がる。天王寺を抜けると次は日根野まで停車しないというのが紀州路快速と違うところ。
なお特急くろしおはカーブの多い紀勢本線を高速で走行するために振り子機能を装備している。そのせいか乗車感覚はフワフワしたところがある。振り子列車特有のこのフワフワした乗車感覚は概ね不評で、この列車も伯備線の「特急吐くも」こと「やくも」と同様に「特急ゲロしお」というありがたくない二つ名を有している・・・とかいうことを車内でポメラで打っている内に段々と気持ちが悪くなってきたので休憩することにする。
左 特急くろしお287系 中央 白浜駅 右 送迎シャトルバス 終点の白浜までは2時間半ほど。駅に到着したら白浜地区温泉ホテルが共同運行している無料シャトルバスが到着しているので乗車、これで宿泊ホテルまで向かう。今回の宿泊ホテルはホテル三楽荘。海岸近くにある温泉ホテルである。
立派なホテルだ
ホテルにチェックインすると何はともあれ大浴場で入浴。ここの温泉は二種類の源泉があるとのことで、海辺に湧いているという衝幹(つくもと)の湯はナトリウム・塩化物強塩泉。かなしょっぱい湯で要は地中で暖まった海水。かなりガツンとした肌あたりの温まる湯である。一方の山側で湧くという藤の湯は含硫黄・ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉。若干のヌヌル感のある肌当たりの柔らかい湯。やや熱めの衝幹の湯で温まってからややぬるめの藤の湯につかるというのがパターンらしい。
部屋の窓より海を望む 風呂から上がると部屋で夕食。夕食は会席料理。和歌山らしくくえ鍋などもついていて実に美味。良い湯にうまい料理。極楽である。
夕食後はもう一度入浴すると、テレビを見ながらマッタリ。数年ぶりに見るスターウォーズだが、あらすじは覚えていても詳細は結構忘れているものである。
映画が終わった頃には疲労がつのっているので就寝する。
☆☆☆☆☆
翌朝は7時に起床。途中で一度目が覚めたが、概ね熟睡した感触。やはり私はベッドよりも畳に布団の方が合ってるんだろうか。
起床するとすぐに朝食へ。朝食はレストランでバイキング。和洋両用のバイキングだが、ご飯の友の類が多いのが特徴。肉味噌などなかなかにうまい。朝からガッツリと腹にたたき込んでおく。
朝食後は入浴。昨日と男女浴場が入れ替わっている。こちらの浴場の方が少々狭いが、二通りの湯船があるのは同じ。しょっぱい湯で朝からしっかりと体を温める。
9時頃まではテレビを見ながら荷物をまとめてチェックアウト準備。ホテルを9時過ぎにチェックアウトすると、路線バスで白浜駅まで移動する。なおホテルのシャトルバスは朝便もあるのだが、列車の時刻と合わない上にかなり大回りの長時間コースなので路線バスを使用した次第。
さて今日の予定だが、白浜駅を10時12分に出る特急くろしおで新宮まで移動、そこでレンタカーを調達すると那智滝に立ち寄ってから川湯温泉まで移動のつもり。列車の到着まで待合室で時間をつぶすが、放送している番組が露骨に橋下に媚び媚びだったので不快すぎて見ていられず、さっさとホームに移動する。中央のマスコミは安倍の露骨な圧力で、関西のマスコミは橋下のアメとムチで完全に牙を抜かれたようだ。これは日本が民主主義を完全に捨てる日も近そうだ。今朝のニュースで北朝鮮の報道がされていたが、あれが日本の将来の姿か。
寒風吹きすさぶホームで列車を待ちながら、一つ作業を行うことになる。実は今日は来年度のベルリンフィルのチケットの一般発売開始日である。今まで先行発売で全敗だったことからほとんど望み薄とは感じているが、チケット入手のための最後のチャンスである。なお列車に乗ってしまえばローカル路線の紀勢本線はほとんど携帯は圏外だろうから、列車に乗るまでの10分が勝負だと思っている・・・のだが、勝負は10分どころか30秒で決してしまった。10時になるやいなやチケットは瞬殺。私がつながったときにはぴあにフジテレビダイレクト、さらにサントリーホールも完売であった。10時半頃には発売開始と同時にサーバダウンしてしまったイープラス及びローソンでも完売を確認、これで全販売チャンネル終了、ジャニーズ並の超人気である。これは私の存命中にはベルリンフィルは無理か。今回もフジテレビにコネでもあるか、金に飽かせて事前にセット券でも購入していない限りチケット入手は無理だったようである。私はフジテレビにコネどころか、むしろフジテレビは天敵。ましてやS席42000円なんて到底払えずD席22000円以下が限界という状態なので、こりゃチケットの入手なんて元々無理な相談だ。どうせ後で転売屋がゾロゾロ出てくるだろうが、私は不正な手段を駆使する輩に加担するつもりはないし、そもそもそれでなくても異常に高いチケットにそれ以上の金を払う気は毛頭ない。
白浜駅の謎のマスコット達 クエとパンダと風呂に入ったオッサン さて私がネット空間で不毛な負け戦を続けている間に列車は海沿いの風光明媚なところを駆け抜けていく。トンネルを抜けると海が見えて、次の瞬間にはまたトンネルというような路線である。海岸は荒波で削られているのでとにかく奇岩の類が多い。
沿線の奇岩達 右は橋杭岩 新宮行きの特急くろしおは283系だが、これは昨日乗った287系と違ってテーブルが小さいのが難点。作業(この原稿入力などだ)がやりにくくて仕方ない。
283系車内
串本までは途中の停車駅での乗降はほとんどない。串本でいくらかの降車があり、次に大量の降車があるのは終点手前の紀伊勝浦。やはりこの地域の観光の中心地であるようだ。ようやく到着した終点の新宮まで乗車したのは数人。
新宮駅に到着 6年ぶりの新宮になるのだが、私にはこの町に対する記憶はほとんど残っていない。前回の訪問時には結構いろいろと歩き回ったはずなのだが・・・。今回はここからはレンタカーでの移動になるが、事前に駅レンタカーを手配済み。そもそも今回はレール&レンタカー切符を使用している。直ちにレンタカー事務所に向かうべきところだが、レンタカーを借り出す前に駅前の徐福寿司で「さんま姿寿司(650円)」を夜食に仕入れておく。
レンタカーはまたも新型ヴィッツ。私はいつもリッターカークラスを予約するのでとかくよく巡り会う車だが、相変わらずパワー不足を感じさせる車だ。まだ以前のヴィッツの方がパワーがあった気がする。新型ヴィッツになって燃費は向上したようだが、パワーは大幅ダウンである。私には言わせれば今回のモデルチェンジは明らかに改悪。以前のヴィッツはまだアクセルをガツンと踏めば加速したのだが、この車はアクセルをいくら踏んでも車が一向に前に進まない印象がある。前のヴィッツは私のカローラ2の次の車の候補の一つだったが、新型ヴィッツは到底買う気はしない。モデルチェンジで改悪とはトヨタも何をやりたいのやらよく分からない。こんなことをしていたら、いずれは自動車業界も家電業界の二の舞になるのではと心配になる。まあ経団連に並ぶ各企業経営者の人材のレベルの低さを見ていれば、残念ながら日本の企業の将来性に明るい見通しは持てない。
とりあえず那智滝に向かうことにする。那智勝浦新宮道路を経由して勝浦まで移動、そこから那智に向かうつもりだったのだが、レンタカー搭載のカーナビの地図が古かったせいで勝浦で高速を降り損なって一つ先の出口で引き返してくる羽目に。とんだ時間とガソリンの無駄である。
ようやく当初想定のコースに戻って山に向かって走ることしばし、途中で昼食がまだだったことに気づいたので途中の日帰り入浴施設もある蒲鉾屋で昼食を摂ることにする。和歌山ラーメンとめはり寿司のセット(900円)にマグロカツ(400円)を付ける。マグロカツはうまく、めはり寿司はまずまずだったのだが、和歌山ラーメンに関しては大失敗だった。麺がヘナヘナでまるで即席麺のような食感。これで和歌山ラーメンを名乗ってはブランドイメージを毀損する。
とりあえずの昼食を終えると那智滝へと向かう。那智滝は山の奥深くにあり、七曲がりを登っていくと突然に向こうに滝の上部が見えてくる。那智滝周辺は大観光地の趣。これだと昼食はこっちで摂る手もあった。とりあえず駐車場(有料)に車を置くと徒歩で滝の麓に向かう。この滝はそのまま神社のご神体になっているようである。
那智滝は落差133メートルで一段の滝としては落差日本一とのことである。以前は迫り出した滝口から滝壺までダイレクトに水が落下していたとのことだが、数年前に滝口の大規模な崩落があり、現在のように途中の壁面に水が当たるようになったらしい。かなりの迫力のある滝だが、個人的には華厳滝の方が圧倒されるような圧迫感があった。また称名滝は落差350メートルと桁違いだが、あちらは四段の滝ということになるらしい。
滝の近くには滝見台があるが、そこに行くには「拝観料」という形で300円の入場料が取られる。なかなかに商売熱心なことである。まあ来たついでなのでここは300円を払っておくことにする。滝見台までの途中には延命長寿の水があるので一口頂く。これで私も健康に長生きができるということらしい。
滝の見学を終えた後は近くの那智大社を見学することにする。那智大社はかなり登ったところにあるようなので、登り口においてあったヒノキの棒を借りることにする。ヒノキの棒は魔法使いの初期装備で攻撃力は期待できないが、上り下りの足腰のダメージを防止するには確実に効果がある。
ここからは石段地獄。それも普通の石段でなくてかなり荒々しい石段で一段一段の高さが大きいので足腰へのダメージが半端でない。それにしてもこういうところを登っていたら、なぜ寺院などがこのような険しいところにあるのかが理解できるような気になってくる。と言うのも、煩悩多き身の私でもこうやって登っている時には完全に頭の中が真っ白になるから。通常の状態で無念無想や煩悩を捨てるなんてことはなかなか出来ないが、こういう時にはそれが自然に簡単にできる。これを繰り返すことで悟りの境地になんていったら修験道に近くなるが、あれはかなりマッチョな信仰である。もっとも私のこんなにわかな無念無想など美女が一人前を通りかかったら一瞬で吹っ飛ぶだろうけど。
石段地獄
山上には熊野那智大社と青岸渡寺がある。青岸渡寺は西国三十三所第一番札所だそうな。もっとも線香100円、護摩300円とか、あちこちにこの手の張り紙が多くてやたらに商売熱心な寺院だという印象が強い。ここってご本尊は商売繁盛の恵比寿さんだったっけ?なんて疑問が頭をよぎるが、実際は熊野那智大社のご本尊は熊野権現で、青岸渡寺のご本尊は如意輪観世音菩薩である。ご利益は健康と金運だそうな。まあ健康についてはここまで上ってこれるなら確かに十分だろう。金運のほうについては何となく納得。もっともこれは神社側の金運であって、こちら側の金運なのか?
鳥居を二つくぐり長い石段を登り、ようやく熊野那智大社に到着
熊野那智大社の社殿と青岸渡寺 私は以前の新宮訪問時に熊野速玉大社を参拝しているし、昨年には熊野本宮大社も参拝している。今回熊野那智大社の参拝で熊野三山参拝終了ということで、かなりのご利益が期待できる・・・とのことなのであるが、何しろ出雲大社を三度参拝しているにもかかわらず今日に至るまで全くご縁がなかったというぐらい神仏とは縁がない人間なので、果たしてどの程度のご利益を期待できるやら・・・。
これもお約束の構図
ここから少し降りたところに三重塔があり、その背後に那智滝が見える。このアングルはよく写真で見かける構図である。なお通常は五重塔などの仏塔は人間が登れる構造になっていない(そもそも仏塔は釈迦の遺骨を納めた宝塔で人間が登るためのものではない)のだが、ここの三重の塔は300円を払ったら登れる観光用展望台である。なんかやっぱりやたらに商売熱心な寺院だよな・・・。
実は単なる観光用展望台
下に降りてきた時には結構足腰がガクガクになってしまっていた。これ以上疲れないうちに今日の宿に向かうことにする。今日宿泊するのは川湯温泉の山水館川湯まつや。川湯温泉はその名の通りに川の中に湯が湧いていて、このシーズンになると川を囲った「仙人風呂」という大露天風呂を作るので有名である。
新宮まで戻るとそこから熊野川沿いにひたすら遡る。川湯温泉へは那智滝から一時間ほど。川湯温泉は熊野川の支流である大塔川沿いに連なる温泉地で、数軒の温泉旅館が並んでいる。この辺りは近くに湯ノ峰温泉もある温泉銀座のようなところである。
まつやはどこかの寮か研修施設のような建物。私の部屋は畳ベッドのツインの角部屋。ここの施設にも風呂はあるらしいが、姉妹館のみどりやの風呂が使えるらしい。
ホテルにチェックインして荷物を置くと、とりあえず仙人風呂につかりにいくことにする。仙人風呂は特に仙人ゆかりというわけでなく、川をせき止めてそこに作った野外浴場。風呂と言うよりもプールのような印象。ネーミングの由来は元々は千人入れる「千人風呂」だったのだと思うが、さすがに「千人」はふかしすぎなので(200人ぐらいは十分入れそうだが)「仙人」にしたのか? なお先日の豪雨で流されてしまって、今日から再オープンしたところらしい。タイミングが良かった。ホテルの主人が「実はあの浴槽は作るのが大変」と言っていたが、確かにちょっとした土木工事である。恐らく重機を使用していることと思われる。
川湯温泉、向こうに見えるのが仙人風呂
道路の向かいに更衣室という名の付いた掘っ建て小屋があるのでそこで水着に着替えて浴場に向かう。風呂の脇で靴を脱いで進むが、予想外だったのは砂利のせいで足がやたら痛いこと。しかも足下が悪いせいで浴槽に入るときに大転倒、肩から浴槽に飛び込む羽目になってしまった。幸いにして特にけがはしなかったが、足の裏をすりむいてしまったのは計算違い。なお湯はかなり熱めなのでほとんどの入浴客が浴槽の縁で足湯状態。話のネタとしては良いが、ゆっくり湯を楽しむという浴槽ではないなというのが正直な感想。
仙人風呂
仙人風呂を体験してホテルに戻ってくると、隣の姉妹館みどり屋の大浴場に入浴に行く。浴槽は内風呂と川に面した混浴露天風呂。湯はナトリウム・炭酸水素塩・塩化物泉で若干のヌルヌル感がある。いわゆる美肌系の湯。なかなか良い湯だが、先ほどすりむいた足の裏が少々痛い。ここでゆっくりとくつろぐ。
みどりや
夕食はみどりやのレストランで。バイキング形式の夕食で、焼き鮎食べ放題が売りの一つだが、鮎は人気ですぐに出尽くしてしまって何度か待つ羽目に。骨まで柔らかくて頭から丸ごといただける。私も二匹頂く。メニューには意外にご当地色は薄いが、味はマズマズなので良し。
夕食バイキング
夕食後に再び入浴するとホテルに戻ってテレビを見ながらマッタリ。タモリが日光を訪れているようだ。「日光を見ずして結構と言うなかれ」と言うが、確かに日光は良いところだった。特に日光湯元温泉の湯の良質さは記憶に残っている。機会があればもう一度訪問したいところだが、いろは坂の大渋滞だけは二度と御免である。
昼に徐福寿司で仕入れたさんま姿寿司を出してきて夜食。小振りのサンマを丸ごと一本使った豪快な寿司だが、味は意外とあっさりしている。私の好みから言えばもう少し酢を効かせても良いような。なお骨があるのでさすがに尻尾と頭は食えない。なおご当地サイダーのじゃばらサイダーはすっきり柑橘系でなかなか。
さんま姿寿司とご当地サイダーのじゃばらサイダー 夜になるとかなり激しい疲労がおそってくる。熊野那智大社で痛めつけられたのが相当効いているようである。早めに就寝することにする。
☆☆☆☆☆
翌朝は目覚ましをセットした6時半まで爆睡していた。両足の太股に張りがある上に肩に痛みもある。ダメージを残さないために立ち寄り先を那智滝だけにしたのに、ここまで体にダメージが残ったのは計算違いだった。
朝はかなり冷え込んでいる。部屋も暖房を効かせているのにわずかに肌寒さを感じる。とりあえずホテルの風呂で体を温める。こちらの風呂は狭いがさすがに湯は良い。
朝食はみどり屋のレストランでバイキング。オーソドックスだが品数もそれなりにあってうまい。
朝食後はみどり屋の大浴場で朝風呂。川沿いの開放感ありすぎの露天風呂でくつろぐ。はっきり言って外から丸見えの風呂だが、別に出し惜しみするような体でもないし。
マンホール蓋も温泉です
部屋に戻るとチェックアウト時刻の10時までマッタリと過ごす。今回はそもそも保養なので予定は全く入れていない。日頃の私の遠征にはあるまじきゆったりとした時間が流れる。やっぱりたまにはこういう余裕のあるスケジュールが必要だよな・・・。
10時前にチェックアウト。さあ、これから新宮へ移動・・・と思っていたら、何と車が完全凍結している。表面一面に霜がおりていてまずはこれを融かさないとどうしようもない状態。駐車場には私と同様に面食らっている客が数人。誰からとでもなく「とんでもないな」という声が出てくる。
とりあえずエンジンをかけて車を暖機してからの出発。しかし凍結しているのは窓だけでなくタイヤも同様なので、最初は運転感覚もかなり怪しい。用心しての出発となる。
それても新宮までは1時間かからずに到着する。レンタカーの返却時刻は12時、帰りのくろしおは12時45分出発だからまだ時間的余裕がある。そこでレンタカー返却の前に最後に新宮城に立ち寄ることにする。
新宮城は以前に見学しているが、もう6年も前のことなのであらかた忘れている。今回改めて見学すると感動するぐらい立派な城郭である。特にあちこちに残っている石垣が感動的。また前回の時は立ち入り禁止になっていた出丸の方にも赴く。途中で路面が崩落したところを修復した跡があり、これが前回は立ち入り禁止になっていた理由だろう。確かにここが落ちたら崖を真っ逆さまである。
新宮城
以前は立ち入れなかった出丸に行ってみる また前回には時間の関係で見学を省いた水の手の方も見学に行く。かなり立派な船付き場が設けており、こうして見るとこの城の大手は実はこちらだなというのが感じられる。この城は熊野川の河口を望む格好の立地にあり、熊野川水運を押さえる要衝である。
左 上から見た水の手 中央 水の手 右 本丸を振り返って 新宮城の見学を終えるとレンタカーを返却、列車の発車時刻までに昼食を摂っておくことにする。入店したのは駅前の「かつ田」。ランチメニューの「まぐろ丼(1000円)」を頂く。
味付けは既にしてあるのでそのまま頂けるタイプ。味はなかなか。駅前ランチメニューとしては良しだろう。
さて帰りは新大阪まで4時間半の長丁場だが、特急くろしおはなんと車内販売がないということなので、長距離移動のためのおやつや飲み物は事前に調達しておく必要がある。そういうわけで駅の売店で菓子と茶を購入、さらに昨日も立ち寄った徐福寿司で「中折り(1200円)」を購入。
特急くろしおは白浜駅でJR東海の特急南紀とすれ違うので、ほぼ同時刻に駅を出ることになる。あちらはディーゼル特急でこちらは電車である。出発してしばらくすると、先ほど購入した寿司を出してきて一服。何の変哲もない寿司だが、なかなかにうまい。特に玉子巻きがうまかった。
帰りも乗客が増えるのは紀伊勝浦と串本。そして白浜で大量に乗車してくる。新大阪までは長い行程となるので、気がつけば途中でウトウトとしていたのである。
たっぷりと温泉三昧でゆったりとくつろいで命の洗濯をした遠征だった・・・はずなのだが、なぜか帰ってくるとグッタリと疲れてしまっていた。やはり温泉湯治は一週間レベルぐらいでやらないと、二日程度だとかえって疲労が出てくるぐらいで終わってしまうんだろうか。それにそもそも新宮は想像以上に遠かった。何しろ新大阪から4時間半だから、東京よりも遠いことになる。ちょうど時間的には仙台ぐらいに当たる。やはり同じ選ぶならもっと近場の温泉にするべきなのか。
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