展覧会遠征 大阪ライブ編3
今日は読売日本交響楽団の大阪公演があるとのことなので、仕事を早めに切り上げると大阪に直行した。東京には多くのオーケストラがあるが、その中でも読売日本交響楽団はN響、都響と並んでトップ3に入るとの評もある。その実力のほどを確認したいと感じた次第。
福島に到着すると、演奏会前にとりあえず腹ごしらえ。ホール近くのビルの地下にある「そばよし庵」で「砂ずりのピリ辛」と「穴子と山菜のせいろのセット」を注文。
そばは悪くないんだが、せいろは私の今の気分からすると少しあっさり過ぎたか。どちらかと言えば砂ずりの方がしっくりきた。味はまずまずだが、腹一杯食ったら結構な額になりそうだ。夜は飲むタイプのそば屋のようなので、酒のあてになりそうな一品が多い。
腹を満たしたところでホールへ向かう。どうもここのところは一週間に二回の割でこのホールを訪問している。ホール係の綺麗なお姉ちゃんの顔を覚えてしまいそうだ。
読売日本交響楽団 第11回 大阪定期演奏会
[指揮]フランソワ=グザヴィエ・ロト
[ヴァイオリン]神尾 真由子
[管弦楽]読売日本交響楽団
ベルリオーズ:歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲
サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲 第3番
ベルリオーズ:幻想交響曲
一曲目は「ん?」というのが最初の感想。どうもアンサンブルの精度が今ひとつ。金管が乱暴なほどに前に出すぎて弦をかき消してしまうなどバランスが良くない。その上に各楽器の音が重なるとグチャグチャになっている印象で、どうも今ひとつ冴えない演奏に聞こえてしまう。
二曲目はヴァイオリンのソロがなかなかに力強くて聞かせる。またオケの方も弦主体の構成に変わったことでバランスが良くなった。
三曲目は今回の公演の中では一番良かったように思われる。ようやく管と弦のバランスが何とかなってきて、弦の演奏も足並みがパシッと揃っていた印象。相変わらず金管が前に出ようとしすぎのきらいはあるが、バランスをひっくり返すほどではなくなった。
フランソワ=グザヴィエ・ロトの指揮は、滑らかで柔らかいサウンドを志向しているように感じられた。これはこれで悪くないのだが、幻想交響曲については以前の準・メルクルと大フィルの超メリハリの緊張感のある派手なサウンドがまだ頭に残っているので、それに比べるとどうしても少々ぬるく聞こえてしまう感がある。
読響については、管の音程がふらつくというようなことがないところから見ても、個々の奏者の技量は高いように思われるのだが、オーケストラしてまとまった時に今ひとつ方向性の統一のようなものが感じられなかった。正直なところ、東京トップ3の一角と言われるまでの実力は今回だけでは私には感じられなかったところである。
満場の喝采に応えて出てきたフランソワ=グザヴィエ・ロトが客席に向かって一言「ホンマ、オオキニ」。今時の外国人指揮者はサービス精神が旺盛である。わざわざ関西弁であるところが大阪という場所柄をわきまえている。しかし誰が関西弁を教えたんだ?
今回の演奏会では正直なところ唸らされるというところまではいかなかった。とりあえず会場で販売されていた11月の大阪公演のチケットも購入したので、次の機会には「さすが!」と唸らせられる演奏を聴かせてもらえることを期待したい。
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