展覧会遠征 大阪・西宮編
この週末は以前にチケットを購入していたライブの連荘と相成った。当初予定ではライブに絡めて展覧会も訪問するつもりであったが、この週は頭から風邪でダウン。ようやく動けるようになったものの本調子とはほど遠いというわけで、ライブ一本に絞ることにした。しかも一旦家に帰るのも体力的にキツいことから、急遽一泊することと相成った。
まず最初はフェスティバルホールでのライブから。
大阪フィルハーモニー交響楽団 第488回定期演奏会
指揮/準・メルクル
曲目/ストラヴィンスキー:幻想曲「花火」作品4
ドビュッシー:バレエ音楽「カンマ」
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
一曲目は「具象音楽」とでも呼ぶべきだろうか。ストラヴィンスキーが花火を音楽で表現した小品。
二曲目はドビュッシーらしく音色が煌めく音楽だが、どうも現代音楽のような印象で私好みではない。
三曲目は言わずと知れたフランスものの定番中の定番である。
準・メルクルは30年間のブランクがある私には全く未知の指揮者。ドイツ出身と聞いているのでガチガチのドイツサウンドで来るかと思っていたのだが(それにしては選曲が変だ)、完全に逆をつかれた。驚いたのはその変化自在の指揮。細かくリズムを変更したり、思い切り溜めを持ってきたりなど、振幅が大きくて華々しくてかなり派手なサウンド。
さらに輪をかけて驚いたのが、大フィルのサウンドが前回に聞いた時とはまるで違うサウンドになっていたこと。やけに弦楽器に艶が乗っている。前回聞いた時にはもっと淡泊な音色だったのだが、今回に関してはなぜここまで艶っぽいんだと感心した。それが今回のプログラムの内容とは非常にマッチしたサウンドになっていた。これで管楽器がもっと煌めいていたら相当凄まじいことになったのでは。このオケがこんな音色を出せるというのは私にはちょっとした発見だった。
やはり体調が悪い。予想以上に疲れてしまった。収穫は期待以上の名演を体験できたこと。とりあえず体調が本格的におかしくなる前にホテルに向かうことにする。今日の宿泊ホテルは尼崎セントラルホテル。阪神尼崎駅前の繁華街にあるホテルである。ホテルに入る前に繁華街の「堂島カレー」でカツカレー(880円)を夕食に摂るとそのままチェックイン。部屋に入ったらしばしベッドの上でグッタリ。
結局この日は何をする元気も全くなく、ようやくシャワーだけを浴びると早々と就寝したのである。
☆☆☆☆☆
体調は翌朝にはさらに本格的に悪くなっていた。やっぱりまだ風邪は治っていなかったか。完全にぶり返した模様である。体がだるくて仕方がない。
とりあえずレストランに朝食を摂りに行くと、チェックアウト時刻の11時ギリギリまで粘ってからチェックアウトする。会場の兵庫県立芸術文化センターまでは30分もかからない。しかしこれから開演時刻の3時までどこかで時間をつぶすのもしんどい。結局はホール近くのネットカフェでゴロゴロと漫画(ゴルゴ13)を読みながら時間をつぶす。
兵庫芸術文化センター管弦楽団 第79回定期演奏会 サー・ネヴィル・マリナー 奇跡のシンフォニー
指揮 サー・ネヴィル・マリナー
■プログラム
ハイドン:交響曲 第96番 ニ長調 「奇蹟」 Hob.I:96
ティペット:2つの弦楽オーケストラのための協奏曲
メンデルスゾーン:交響曲 第3番 イ短調 「スコットランド」 op.56
現在のPACは明らかに弦優位だというのは感じていたが、それが今まで以上にハッキリと出ていたのが今回。元々弦上位を想定している2曲目はともかくとして、メインのスコッチも弦が綺麗に響いてくるのに対して、管はややうわずった印象を受けた。
マリナーの指揮は今までのイメージ通りで、中庸で端正という印象。この辺りがマリナーのキャラクターの弱さでもあるのだが。メンデルスゾーンのスコッチは演奏によって古典寄りになったりロマン派寄りになったりする曲で、マークの演奏などが後者の代表なのだが、マリナーが演奏すると言うまでもなく前者になる。
もはや巨匠の風格漂うマリナーは、ステージにエッチラオッチラという感じで歩いて出てくる。正直なところ、拍手で何度が出てくるのもしんどそうな印象があった。
私もコンサート終了時には体はヘロヘロ。何とか家には帰り着いたものの、懸念した通りこの晩から熱が出て、再び数日間寝込むことと相成ってしまったのである。どうも今の風邪はたちが悪い。それとも私の体力がなくなったのか。
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