展覧会遠征 島根編4

 

 ふと、出雲そばが食べたくなった・・・というわけで今週は松江まで遠征。何て言って実のところは何も本当にそばが食べたかっただけではない(それが一因なのは否定しないが)。以前から足立美術館の新館が気になっていたのと、11月に山陰方面の遠征をするに当たっての時間感覚をつかんでおきたいということから、一度はこの方面に出向いておく必要があったわけである。

 

 しかし土曜日は台風の影響で生憎の雨。山陰地方の降雨状況も見たが、そちらもやはり雨らしい。明日に順延も考えたが、やはり日曜日に遠出すると休み明けがしんどい。今回は目的地は屋内がメインだし決行することにする。なお当初予定では近くの山城に軽く立ち寄ることも考えていたが、さすがにそれは諦めることにする。

 

 やはり松江までとなると朝の出発になる。中国道から米子道を経由するルート。米子道は一部対面二車線の箇所もあるが、概ね片側二車線あるので変な車につかえることもなくストレスなく走れる。やはり対面二車線だと、渋滞に快感を感じる類の変態や、高速を40キロで走るジョギング愛好会みたいな輩が大活躍して、思わず「金返せ!」と言いたくなることが多いだけにこれはありがたい。

 

 米子からは建設中の山陰道に乗り継ぐ。ところでこの道路、あちこちでズタズタの状態で工事されているのだが、本当に開通するんだろうか?

 

 安来ICで降りると足立美術館まで走る。途中で前に観光バスが。もしかしてこのバスも?と思っていたら、予想通り足立美術館の駐車場に入っていく。やはりこの美術館は観光定番コースになっている。

 

 早速美術館に入館と行きたいところだが、もう既に昼時。先に昼食を摂ることにする。昼食を摂るのは当然のように美術館の前にあるそば屋「吾妻そば」。まあ今回の遠征の半分はここのそばを食べに来たようなものだ。注文するのは当然のように「とろろ付割子そば(1000円)」。結局はこれにさらにそばを3杯追加する(750円)。

    

 いかにも手で切りましたというような幅が若干不揃いのそばがいかにも出雲そば。そして腰があってうまい。正直なところ価格は明らかに高いと感じるが、それでも時々このそばが無性に食べたくなるのである。

 

 腹を膨らませると足立美術館に入館。例によって庭園が美しいが、今回は雨のせいか庭園の緑がさらに際だっている印象。

 

 開催中の展覧会は秋期展の「横山大観とその同志たち」であるが、基本的にはこの美術館の収蔵品であるので、正直なところこれで5回目ぐらいの訪問になる私には大抵は見覚えのある作品が多い。ただそれでも名画は名画である。

 

 新館へは地下通路で接続されている。新館は北大路魯山人展と現代日本画名品展を開催中。魯山人に関してはやはり既に眼にしたことのある作品も多いし、何よりも私自身が魯山人には正直なところ大して興味を感じない。むしろ現代日本画の方に興味深い作品が多数。私が注目している宮廻正明の作品なんかもあって楽しめた。

 足立美術館新館

 足立美術館の見学を終えると次の目的地である島根県立美術館まで移動する。本当は喫茶辺りでマッタリしたかったのだが、どうもタイムスケジュールが予定よりも遅れていて余裕がない。

 


「出雲阿国展」島根県立美術館で11/4まで

 戦国時代が終わりを告げて天下が定まった1603年、出雲の巫女を名乗る阿国が始めて評判を呼んだ演芸がいわゆる「阿国歌舞伎」。この流行は阿国だけに止まらず、多くの新しい風俗を生み出し、そこから今のアイドルに当たるような存在も登場していく。そのような時代の風俗を紹介。

 展示品としては当時の様子を示す洛中洛外図や美人図など。どことなく庶民のパワーや時代の活気のようなものが感じられて面白い。


 結局は今のAKBなんかもこの時代と大して変わらないような気もする。ところでこの時代も「ごり押し」なんてあったんだろうか。まあこの時代には電通はなかったから・・・。

 

 美術館の見学後は喫茶でマッタリとする。宍道湖を眺めながらアイスティーとチーズケーキで至福のひととき。若干気になるのはカロリー・・・。

 当初予定では返りに湯原温泉に立ち寄ることも考えていたが、山岳部にさしかかると雨が強くなってきたし、当初予定よりも時間が遅れまくって夕闇が迫ってきたしということで、結局はそのまま帰宅と相成った。終わってみたらどことなく中途半端な日帰り遠征になってしまった。やっぱり松江は日帰りで行くところではないわ。

 

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