展覧会遠征 大阪・京都編

 

 先週は木曜日から体調を崩してしばし寝込んでしまった。しかし土曜日ぐらいから体調はようやく回復、となると週末にやっておくべき宿題が気になってきた。

 

 現在、大丸梅田店で「クールベ展」が開催中。特別に好きな画家と言うほどではないが押さえておくべき画家ではある。しかしデパート展の常で会期は非常に短く、今週末で終わってしまう。実は先週の名古屋遠征の帰りに立ち寄ることも考えたのだが、何しろ梅田周辺は車を持って行ったのでは不便至極な場所なのでどこかに車を置いておく必要があるし、なんだかんだで当初予定よりも大幅に予定が遅れてしまったこともあり、今週送りとなった次第である。どうやらこの機会を逃せば次の巡回は呉市立美術館とか。とても広島界隈(それも呉はそこからさらに奥である)まで出張ることもできないことから、これはどう考えてもこの週末に押さえておくべき必要があった次第。

 

 また先週の名古屋遠征では帰りに京都に立ち寄ろうかとも考えていたが、そもそも京都に立ち寄ろうと考えていた理由は、京都伊勢丹で開催中の「知られざるミュシャ展」を見学するため。そこで今週はその二展を訪問することにした。

 

 元より回復したとは言っても体調はまだ万全ではない。また体調の悪さを反映してか気分も優れない。とりあえずさっさと帰ってくる計画にする。

 


「クールベ展」大丸梅田で3/11まで

 

 印象派にも大きな影響を与えた画家、クールベの作品を集めた展覧会。もっとも会場の半分ぐらいは実際にはクールベ以外の画家の作品であったが。

 クールベ自身は印象派ではなく、リアリズム派の画家として分類される。しかし彼の今までのアカデミズム絵画の枠を飛び越えて自然をありのまま描こうとした姿勢が、そのまま印象派の考えに大きな影響を与えたのだという。

 クールベの作風自体は印象派に比べるとまだ古典の域に属しているようにも見える。しかしそれまでのアカデミズム絵画にはない力強さのようなものがある。またクールベはデッサンが出来ないという評もあると言うが、本展に出展されている素描などを見る限りにおいてはクールベのデッサン力はかなり高い。恐らく彼の風景画は後の印象派につながるようなザクッとしたタッチで描いたものがあることから来た評のように思われる。またクールベと言えば海の波を描いた作品が有名だが、実際に本展出展作品でも水の描写には卓越したものが感じられた。

 有名な画家ではあるが、日本ではクールベの名を冠した展覧会は意外と少ない。その点では貴重な機会であった。


 展覧会を見ている間に外はかなりの大雨になったようだ。もっともそもそも駅から出るつもりはないので、そのまま大丸で昼食を摂ることにする。入店したのは大丸14階の「与太呂」。春向きのランチセットがあったのでそれを頂く。場所柄CPには若干つらいものがあるが(1995円)、味としては悪くない。

 

 昼食を終えると京都に移動。私が京都で虫酸が走る程に嫌いな建物に入場。それにしてもこの建物、来るたびに動線を全く考えていない設計の大馬鹿さに腹が立つ。なぜこんなに下品で使い勝手の悪い設計を採用したんだ。

 


「知られざるミュシャ展−故国モラビアと栄光のパリ−」京都伊勢丹で3/31まで

 

 アール・ヌーヴォーの旗手、世界で女性を最も美しく描いた画家、20世紀最強の萌え絵師などの異名のあるミュシャの展覧会。

 展示品は個人コレクションとのことで、ポスターや小物類などが多い。このようなものを見ていると、ミュシャが当時デザインの分野で一世を風靡したと言うことがよく分かる。

 晩年のミュシャはスラヴ叙事詩への取り組みのように、民族主義色を強めていくが、その頃を偲ばせる作品も展示されている。定番どころからややマニアックなところまでミュシャを概観するのに適した展覧会である。


 

 これで予定は終了。異常に疲れたので喫茶に寄ってから帰る。和栗のワッフルを食べたのだが、明らかにカロリーオーバー。それに今の私には若干甘すぎたのか、後で少々胸がむかついて困ったのであった。

 

 

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