展覧会遠征 神戸編8
さて先週の箱根訪問で一区切りついた感のある私の遠征だが、だからといってこれで終わりというものでもない。たださすがに財力、体力共にかなりキツイというのが現状。ちょうどスルッと関西2DAYの有効期限が近づいているし、とりあえずこの週末は近場でお茶を濁すことに。
阪神列車で魚崎まで移動すると、そこから六甲ライナーに乗り換え。今日の目的地は神戸ゆかりの美術館なのでアイランドセンターで下車だが、よくよく考えると終点まで行ったことがない。そこで意味もなく終点のマリンパークまで乗車。アイランドセンターでほとんどの乗客が下車するので、終点で下車したのは私を含めて3人ほど。駅前に出ても休業中のプールぐらいしかないのですぐに引き返して、乗ってきた列車でアイランドセンターに移動する。
左 魚崎駅 中央 列車が到着 右 終点のマリンパーク駅 左 マリンパーク駅周辺は何もない 中央・右 車内はロングシート 神戸ゆかりの美術館はこの近く。ポートアイランドの寂れっぷりに比べると六甲アイランドの方がまだ活気はあるが、それでも神戸市の埋め立て地は全般的に低調な空気がある。昼食のために入った飲食店モールでも、デニーズなどが撤退して既に半分はシャッター街。神戸の開発はゼネコンを儲けさせることを最優先してハコモノばかり作るので、常に「仏作って魂入れず」の状態ばかりである。
昼食は懐かしの復刻版杵屋定食(ガキの頃によく食ったわ・・・)
「神戸 美しき色彩」神戸ゆかりの美術館で3/27まで神戸ゆかりの画家による風景画を中心とした展覧会。メインは突々和夫の木版画であるが、素朴で色彩豊かな木版画は日本の風景を描くのに非常に適した手法であることを再認識させられた。突々和夫の作品は独特の清澄感があり、心地よい作品である。
美術館の見学を終えると六甲ライナーで住吉まで。これで六甲ライナー完乗である。住吉の近くでは高層住宅をかすめるように通過するので、わざわざ窓が磨りガラス状になる仕掛けまでしてあるのには感心するが、どうも無駄な設備のような気もしないでもない(なぜ単なる目隠し板ならダメなのだろうか?)。
左 気持ちが良いほど天気はよいが 中央 磨りガラス状になる窓 右 住吉駅が見えてくる 住吉からJRで三宮に戻ってくると次の展覧会だが、その前についでだからポートライナーで一周してやろうかという気になる。いつもはガラガラのポートライナーだが、今日はやけに乗客が多く、しかも若い女性の乗客ばかり。何かイベントがあったのだろうと思って後で調べてみると、どうやらBEASTなる韓流グループのライブがあった模様。結局はポートアイランドはこういうイベントでもないと人がなかなか来ない。それにしてもフジテレビの前で意味不明のデモをやった頭のおかしな連中がいたが、ごり押しも何も現在は一般的に韓流は人気があるようだ。まあ私も特に韓流は好きではないが、個人的にはAKBのごり押しの方がうんざりする。
左 ポートライナーはクロスシート 中央 市民広場駅を出ると空港線と別れる 右 今のUCCビル ポートライナーから見るポートアイランドはやはり活気がない。大昔にこれに乗ったことがあるが、その頃に比べるとポートアイランドの風景はかなり変わっている。市民病院が南に移転したし、ポートピアランドもなくなった。そしてUCCのコーヒーカップの建物が普通のビルに建て替えられている。ここでポートピアが開催された頃は、未来の海上都市というポートアイランドのキャッチコピーももっと輝いていたのだが・・・。
ポートアイランドの視察はどうも私のメランコリーを刺激したのか、心の中に苦々しさを残しただけだった。変わり果てて色褪せたポートアイランドの光景はその間の月日の経過を痛感させるし、それによって変わり果てて色褪せたものは他ならぬ自分自身もであるという残酷な現実を突きつけられるのである。やはり過去の想い出の地というものは、現在を幸福に過ごしている人間が訪れるべきものなのだろう。
三宮に戻ってくると次の展覧会へと繰り出す。ここは車で来ることが多いのだが、久しぶりに鉄道で来ると駅から嫌な距離がある。
「平清盛展」神戸市立博物館で4/8まで
言うまでもなくNHK大河ドラマの連携企画である。ご丁寧に音声ガイドは深田恭子だったのだが、今回はこれは借りなかった。
展示物は当時の風俗を物語る絵巻や平家関連の文書。しかし所に全く興味のない私には文書を見ても仕方ないし、絵巻も定型的なもので史料価値はともかく芸術価値は微妙。厳島神社の宝物関連などには面白いものもあったが、結局は企画としてはNHK大河ドラマにこれから登場する人物の紹介的なものがメインであったような気も。最近少し微妙になってきた大河ドラマだが、展覧会の企画自体も微妙。
これで本遠征の目的は終了。後は帰るだけだが、スルッと関西2デイを使用した以上このまままっすぐ帰るのも面白くない。そこで今まで一部しか乗車したことがない神戸地下鉄海岸線とこれも未乗車の名谷以北の地下鉄を視察してやろうと考える。
地下鉄湾岸線はどことなく横山光輝テイスト一杯 地下鉄湾岸線の始発駅の三宮・花時計前は三宮のかなり南にある。海岸線は横山光輝を正面に打ち出しているのか、三国志と鉄人28号が何かと目立つ。駅内のメロディが鉄人28号のテーマ(「ビューンと飛んでく鉄人28号」という一番古い歌である)であるのには驚いた。
左 新長田の長い乗り換え 中央 いきなり鉄人がお出迎え 右 駅名表示までこれ 繁華街などを通る路線だけに利用客はかなり多い。各駅ごとで乗り降りが相当にあるという印象。終点は新長田だが、ここから山手線までの乗り換えはかなり遠い。この乗り換えの遠さは東京の地下鉄並み。
西神中央駅に到着 山手線は名谷辺りから半地下半地上の路線になる。名谷以北は完全に新興住宅地だし、ちょうど大阪の御堂筋線に印象が近い。終点の西神中央はいかにも新興住宅地のど真ん中。といってもこういう町が一番面白くないのである。それに鉄道マニアではない私にはやはり地下鉄の乗りつぶしは虚しさしか残らない。
ここで特にすることはないがとにかく疲れた。とりあえずお茶にすることにする。「風月堂」の喫茶に入店して「抹茶パフェ(840円)」を頂く。疲れた身体をクールダウンである。
ついでに向かいのそごうで土産物を買い求めると帰途につくことにする。地下鉄でそのまま戻っても面白くないし遠回りだから、バスで明石に移動しようと考えたのだが、明石方面に行くバスは神姫バスだけでしかも神姫バスはするっと関西2デイが通用しないとか。最後の最後につまらない出費が必要となったのだった。
戻る