大原美術館
美術館規模 大
専用駐車場 無(倉敷の美観地区内、有料の公共駐車場が近くにある)
アクセス方法
JR倉敷駅から徒歩
お勧めアクセス法
美観地区周辺は駐車場の数は多くない上に混雑するので、駅から徒歩で行くのが無難。
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展覧会レポート
「インパクト」 2006.11/5まで
実は現在、東京の国立近代美術館で大原美術館展が開催されており、モネ、ゴーギャン、ルノワールなどのかなり有名看板作品はそちらの方に出払っている。本展はそれらの作品が抜けた間の留守展と言えるようなものである。
実は国立近代美術館の方に行ってきていた私は、エースが不在の大原美術館がどのような展示をしているかを見てやろうというやや意地悪な動機と、こういう時には普段展示していないような作品が見られるのではないかという好奇心で本展を訪れている。
で、展示の構成なのだが、児島虎次郎が西洋で絵画を収集して本美術館の基礎が出来た際のコレクションになるべく忠実に戻るという構成をメインに打ち出していた。そのために、展示作品はアンティミストであるアマン・ジャンやシャルル・コッテの作品がかなり多く含まれていた。と言うのは、今日ではあまりメジャーと言えない彼らであるが、児島が収集を行っていた20世紀初頭では、むしろ彼らこそが本流の画家として世間の注目を浴びていたからだとのことである。アンティミスト(親密派)と呼ばれる彼らの絵は、日常生活を描いた作品がほとんどなのであるが、殊更に前衛的な技法には走らない絵で好感は持てる。
なおこれ以外でも、普段は展示していない児島虎次郎の大判の屏風絵が展示されていたり、また日本の作品の展示も充実しており、普段とは違う意味で興味を湧かせる構成となっていた。さすがにこの美術館は奥が深い。
常設展 2005.7/2訪問
大原美術館はその名の通り、事業家である大原孫三郎が画家である児島虎次郎の勧めで蒐集したコレクションを元にした美術館である。収蔵品は西洋絵画から、日本の近代絵画、陶器等の東洋美術など実に幅広い。
倉敷が観光地化すると共に、この美術館も観光地化してしまい、団体客などが騒がしくてゆっくりと絵を鑑賞できる雰囲気ではないと、この美術館については芳しくない評判も事前に聞いていた。ただこの日は大雨洪水警報発令下という特殊条件もあり、週末にもかかわらず倉敷全体がガラガラの状態で、幸運にもゆっくりと絵を楽しむことが出来た。
コレクションの目玉はやはり西洋絵画だろう。この美術館の目玉となっているエル・グレコの「受胎告知」は確かに評判に違わない凄い絵画であると感じられた。ただ個人的にはこれよりも、もう一つの看板となりつつあるセガンティーニの絵画の方に強く惹かれた。実は私はセガンティーニの作品の実物を見るのは初めてだったのだが、ここまでに光にあふれている絵画だとは思いもしなかった。
ただ、コレクション全体としては玉石混淆と言ったのが正直なところ、非常に感銘を受ける作品もある一方で、首を傾げる作品も多く、全体としての評価は微妙である。なおこの美術館は児島虎次郎の作品も特徴の一つとなっているが、彼の作品については技術力の確かさは感じるものの、個性の薄さが最大の弱点になっているという印象を受けた。
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