佐川美術館

 

公式HP

美術館規模 中

専用駐車場 有

アクセス方法

 JR守山駅よりバス

お勧めアクセス法

 駅からかなり遠いので、車で行ける人はその方が便利だろう。

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展覧会レポート

 

「有元利夫−女神たち」 2006.9/2〜11/26

 有元利夫はイタリアのフレスコ画に刺激され、独自の絵画を描くに至った人物だという。何となく古めかしく、どことなく懐かしさを感じさせるその絵柄は、レコードのジャケットや書籍の表紙などに良く使用されたことがあるので、今までに目にした経験のある者も多いだろう(私もそうだ)。

 非常に簡略化してあり、素朴でありながら神々しくも幻想的でもある独自の絵柄には表現しにくい魅力がある。なお作者はフレスコ画だけでなく、仏画の影響も受けたと言っていることが、神々しさの原因か。

 なおバロック音楽をBGMに作品を展示していたコーナーがあったのだが、音楽と作品が見事にマッチしているのに感心すると同時に、ここに至るまで「何かが足りない」と感じていた理由がはっきりとした。彼の作品の背景には音楽が存在しているのである。特にバロックの単純にして軽妙な調べ、それこそが彼の作品を貫くトーンなのである。

 

「中国国家博物館所蔵 隋唐の美術」 2005.4/9〜6/5

 分裂していた中国が再び統一された隋代や唐代には、唐三彩と呼ばれる陶磁器や精緻な金属細工品などが作られた。これらの高度な工芸品は、遣隋使や遣唐使によって日本にももたらされ、日本国内でもこれらを模倣した工芸品が作られている。これらの渡来品や国産品は正倉院の宝物の中に多く見られるものである。本展では中国国家博物館が所蔵する、この時代の工芸品を展示し、併せてその影響を受けて制作されたと思われる正倉院宝物の写真を並べて展示している。両者を比較すれば、この時代にいかに日本と中国の関わりが深かったかが見えて来るという趣向になっている。

 唐三彩による人物俑では、アラブ人などあらゆる異民族の顔立ちが並んでおり、この時代の唐の国際色の豊かさがうかがえる。また唐代にはふっくらしたタイプの女性が美人としてもてはやされたのだが、そういう唐代美人の俑も多く展示されており華やかである。また正倉院宝物の中に、あまりにもまんまにパクっている作品があるのには、日本人の物まねのうまさはこの頃からかと思わず苦笑いをしたりと、なかなかに楽しめる展覧会であった。

 なお水の中に浮かぶように建っているこの美術館の建物もなかなかに秀逸。常設展示の平山郁夫作品も見応えがある。運営しているのがあの佐川急便というのがやや気になるが、美術館としてはなかなか良いところである。

 

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