展覧会遠征 西宮ライブ編10

 

 この週末はMETライブビューイングと京都市響西宮公演のダブルヘッダー。金曜日の仕事が大阪であったので、仕事が終わると大阪で一泊することにする。今日の宿泊ホテルは新今宮界隈の高級ホテル・ホテル中央オアシス。今日はホテル滞在時間がやや長くなると見て贅沢目(笑)のホテルをチョイス。

 

 部屋に入るとしばし休息しつつホテルNEO東京に電話する。このホテルの予約をしようとHPにアクセスしたら、4月以降の予約が出来ないようになっているのでその理由を聞くため。すると4月から改装でしばし予約を停止しているのだとか。改装がいつ頃までかかるかを聞いたが、それは聞いていないとのこと。どうも先のことがハッキリとは決まっていない様子。これは下手したら廃業なんてことも・・・という悪い予感がしないでもない。また廃業ではなくて、逆にオリンピックを当て込んで改装で高級ホテルに・・・なんてことになって宿泊料金が大幅アップなんてこともあり得るかも。どちらにしても私の東京遠征において常に拠点になってきたホテルだけに影響は大きい。

 

 仕方ないのでとりあえず同じ地域で同クラスのホテルを手配することにする。ここのホテルは何度も前を通って知っているが、泊まったことがないのでどのようなホテルかは不明。まあ新今宮のホテルに慣れている私が驚くほどひどいホテルということはないだろうと思うが。

 

 どうも私も景気の低迷を反映して、年々宿泊ホテルのレベルが低下しているような気がする。そう言えば最新の経済動向見通しが、横ばいから低下傾向に修正になったと言うが当たり前だろう。今まではアベノミクスのおかげで景気が回復しているなどと統計を操作して誤魔化していたが、その不正がばれてとうとう誤魔化せなくなったか。そもそも物価が上がれば景気が良くなるなどと馬鹿げたことを言っているような素人が政策の舵取りをして景気が良くなるはずなどない。景気が良くなれば物価が上がるが真であって、この逆は真ではない。これは結果と原因を意図的か無知故にかは分からないが取り違えている。また金持ちを優遇して金を使ってもらわないと景気が回復しないというようなこともよく言うが、これも間違いなのは経済の常識。金持ちを税金などで優遇しても景気対策にならないのは歴史が何度も証明している。実際は庶民の生活が安定して余裕が出来ると景気が好転するのである。金持ちの一部の贅沢など実体経済にほとんど影響しないが、一般庶民のちょっとした贅沢は全体のマスの大きさもあって経済を大きく回すのである。庶民の「最近生活にゆとりが出来たから、今日は外食しようか」というのが景気には一番貢献する。だから一部の富裕層を優遇するために庶民の貧困化を進めるような政策を採り続ける限り、本当に景気が回復するはずなどない。これも常識なのだが、悲しいかな権力の回りには富裕層しかいないから「金持ちを優遇しないと景気が回復しない」などと、自分達だけに都合の良い明らかに間違った言説を振りまくのである。情けないのはこれに騙されてそうだそうだと追従する庶民。日本の国民はつくづくM体質だと思う。古今東西、金持ちの馬鹿ボンなんかに権力を与えるとろくなことにならないのである。

 

 話がそれてしまった。どうも私もストレスが溜まっているか。しばし何だかんだで部屋でウダウダしていたが、気がつくと夕食を摂らないといけない時刻になっていたので出かけることにする。

通天閣の見える大阪らしい界隈をウロウロ

 今週に入ってから体調を崩して寝込んでいたのでまだ体は本調子ではない。夕食のために新世界に繰り出すが何を夕食にするかが全く決まらない。串カツはヘビーすぎてその気にならないので、そばでもと思ったら目当てのそば屋はもう閉店。では「梵」はと思えばここも閉店。どうも部屋でウダウダしている内に出る時間が遅くなりすぎたようだ(現在8時前)。うどんも考えたのだが、これも店が既に閉店。結局は新世界界隈を何度も行ったり来たりして、最終的に入店したのは「大興寿司本店」。ここで寿司を6皿ほど注文する。

   

 寿司は悪くないのだが、やはり正直なところ寿司という気分でもなかった。遅い時間だったために品切れになっているネタも多かったこともあって、満腹前に店を出る。

シマアジ

エンガワ

貝柱

マグロ、トリ貝、ハマチ

 

 まだ腹が中途半端だし、気分としては何か甘いものが強烈に欲しい。そこで閉店間近の「千成屋珈琲店」に入店して、ミックスジュースの大と厚焼き卵サンドを注文。

左 ミックスジュース発祥の地  中央 ミックスジュース大  右 厚焼き玉子サンド

 ミックスジュースはその入っている器に驚かされるが、実際はそんなにべらぼうな量が入っていると言うわけでもない(まあ少なくはないが)。オーソドックスでシンプルな関西人なら懐かしい味。サンドの方は厚焼きの卵焼きが美味い。サンドが崩れやすくていささか食べにくいのが難点だが、味は申し分なし。

 

 これでようやく満腹となったのでコンビニで明日の朝食を買い求めてからホテルに戻る。

 

 ホテルに戻ると部屋風呂に湯を張りつつ、持参したBDで番組をチェックしながらブログ用の原稿を執筆。それが終わる頃には風呂に湯が張れているので入浴してさっぱりと汗を流す。風呂から上がるとクールダウンしつつこの原稿の執筆である。よくよく考えると、私が趣味としてやっていることは、もしこれが仕事ならワーカホリックと言われるレベルのような気がする。ネットで調べたワーカホリックの5つのサインは、非生産性の恐怖(仕事以外の時間はすべて非生産的と感じてしまう)、テクノロジー中毒(常にメールをチェックするなど)、新しいプロジェクトを追いかける、健康や衛生を無視してしまう、仕事に満足できない(完璧主義)などとあったが、私は本業の仕事には全く当てはまらないが、趣味の実行に関してはすべての項目が当てはまってしまう(笑)。

 

 明日はMETのライブビューイングなので、その座席を確保してから就寝する。

 

☆☆☆☆☆

 

 

 それにしても今年は花粉症がひどい。花粉症が風邪と相互作用しているせいで、事前に薬を飲んでいるにも関わらず鼻水が出てくる。夜中にも鼻水がのどに詰まって窒息仕掛け、咳き込んで目が覚めることも。

 

 7時前に起き出すと昨日買い込んでいた朝食のパンなどを腹に入れるてから朝風呂にする。その後はテレビを見ながらウダウダ。チコちゃんが終わる頃にはホテルを出て、大阪ステーションシティシネマに向かう。

 

 劇場内は8割方は入っているだろうという状態。私の周辺なんかも空席はなくてギチギチ。やはり「カルメン」も人気タイトルということだ。次回は「連隊の娘」だから多分ここまでは入らないだろう。その次は大作「ワルキューレ」だが、これは客が全く読めない。ラストの「カルメル会修道女の対話」は恐らくあまり客が入らないだろうと予測できる。


METライブビューイング ビゼー「カルメン」

 

指揮:ルイ・ラングレ

演出:リチャード・エア

出演:クレモンティーヌ・マルゲーヌ、ロベルト・アラーニャ、アレクサンドラ・クルジャック、アレクサンダー・ヴィノグラドフ

 

 今更説明さえいらない自由奔放なジプシー女・カルメンと、彼女によって人生を狂わされてしまうドン・ホセの物語である。

 この悪女とも妖女とも言えるカルメンを、マルゲーヌが圧倒的存在感で演じきっている。自信ありげにグイグイと押してくる迫力ある歌唱は、まさにカルメンのイメージそのもの。

 一方、この悪女に翻弄される愚か者ドン・ホセを演じるアラーニャは、いかにも田舎者で女に欺されそうな純朴な青年という優しげな歌唱から始まり、最後は狂気のストーカーといった様子に至るまでドン・ホセというキャラクターを見事に表現した。

 またドラマをさらに盛り上げる存在がドン・ホセの恋敵になる闘牛士のエスカミーリョを演じたヴィノグラドフ。落ち着いた渋さがありながら華もあるバスであり、優しげなテノールのドン・ホセに対して男としての格の違いのようなものを見せつけ、ドン・ホセをさらに追い込むという立場になっている。

 圧倒的な歌唱と安定した演技によって、今では陳腐になった感のあるこのドラマを非常に盛り上げていた。さすがにMETである。


 上映が終わるとすぐに西宮に移動することにする。昼食を摂らないといけないのだが、どうせルクアの飲食店は行列だろうし、阪急の地下も行列だろう。もう既に13時半を過ぎていて、次のコンサートが15時からだから行列になんかに並んでいる余裕がない。

 

 結局この日の昼食は西宮のKFCで。不健康でジャンクな昼食であるが、時間がないので仕方ない。こういう時のためのファーストフードとも言える。

 

 ジャンク昼食を腹に放り込むとホールへと急ぐ。ホールは大入り。京都市響は兵庫でも結構人気があるようである。


京都市交響楽団兵庫公演

 

指揮:広上淳一

管弦楽:京都市交響楽団

 

シューベルト:交響曲第7番<未完成>

マーラー:交響曲第1番<巨人>

 

 広上の指揮はとにかくテンポをゆったり目に設定して、アンサンブル重視でしっとりと聴かせるもの。最初の未完成は京都市響のアンサンブル力の高さもあり、明快かつ非常に美しい演奏となった。

 後半の巨人になっても、ゆったり目のテンポによる明快で美しいアンサンブルという広上のアプローチは基本的に変わらない。しかし単にゆっくり演奏するのでなく、突然にテンポを変更したり、いきなり全休止したりなどの仕掛けは随所にある。しかしそういう仕掛けに全く戸惑わずに完璧に対応する京都市響と広上のツーカーの関係に感心させられることになる。

 それにしても改めて京都市響のアンサンブル力を実感した。このオケはいささかカラーが弱いところがあるが、やはり純粋に技倆の点では関西のオケでは1位なのは間違いないだろう。大阪フィルなどでは今日のような演奏は出来ない。


 これでこの週末の予定は終了、阪急とJRを乗り継いで帰宅・・・と思っていたら、JRで線路内にどこかの馬鹿が立ち入るという事故があったらしく、JRのダイヤが滅茶苦茶。最後の最後に思わぬトラップがあったのである。疲れた。

 

 

戻る