展覧会遠征 岡山ライブ編2

 

 この日曜日は1年ぶりぐらいに岡山フィルの定期演奏会に出かけることにした。

 

 家を出たのは日曜の昼前。それにしても暑い。岡山には昼過ぎに到着するが、暑さのせいかとにかく体がだるい。時間が時間だし、まずは昼食を摂ることにする。最初は岡山駅の地下を考えていたのだが、目的の店には長蛇の列。そこで諦めて、ホール近くの商店街に出向くことにする。

 

 商店街をウロウロして店を探す。今ひとつピンとくる店がない。そこで以前から気になっていた「やまと」を訪問することにする。ここは常に大人気の行列店である。今回も既に10人以上の待ち客がいたが、客の回転も速いので30分もかからずに入店できる。

   

 注文したのは「中華そば」「カツ丼」。カツ丼はいわゆるデミカツ丼で、中華そばはオーソドックスなラーメン。まずカツ丼だが、カツはサクッと揚がっていてまずまず。ただデミソースがやや甘めで私の好みとズレる。中華そばの方も悪くないのだが、出汁に効いている煮干し?の味が私の好みに合わない。やや生臭み的なものを感じてしまう。悪いラーメンではないが、私の好みとは少々違う。

 以上で支払いは1510円なんだからCPは良い。また味が悪いというわけではない。あくまで私の好みに合わないということである。だから多くの客が来るというのも分かるが、個人的には再訪はないというところ。

 

 昼食を終えると2時前。当初予定では美術館の訪問も考えていたのだが、出てくるのが予定より遅くなってしまったのと、こちらに来ると予想以上に体が重いのとで今回は美術館はパスしてホールに直行することにする。

   

 本当はホールに入る前に喫茶で時間をつぶしたかったのだが、この辺りには喫茶が見当たらない。以前はホールの一階に喫茶があったのだが、現在は何やら工事中で閉鎖されている。仕方ないのでホール開場と共に入場すると、中のカフェコーナーでアイスコーヒーとドーナツを頂く。アイスコーヒー300円というのはこの手の店としては安めだが、コーヒーの味はやたら苦いだけで私には美味しくない。結局はシロップを2杯も加える羽目に。

   

 ホール内はかなりの入りである。1階席はほぼ満席だし、どうやら3階席まで結構客が入っているようである。以前に岡山フィルの定期に来た時にはもっと客が少なかった。この間に岡山フィルの人気が上がったのか、今回のプログラムが人気だったのか、今回のソリストが人気だったのか、私にはよく分からない。


岡山フィルハーモニック管弦楽団 第56回定期演奏会

 

指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー

ヴァイオリン/福田 廉之介

 

グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35

チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調 作品64

 

 ルスランに関しては弦のアンサンブルは悪くないのだが、全体的に音色が弱め。望むらくはもう少し粘りや艶が欲しいところ。また金管がやたらに前に出てくるのは少々閉口。ブラスバンドではないのだから大音量で鳴らせば良いというものではないだろう。

 ヴァイオリン協奏曲においては福田の演奏は技術は高く、かなり謳わせてくる印象がある。正直なところ私はやや表情過多気味に聞こえた。シェレンベルガーの指揮自体はオーソドックスで極端な表情付けはしない方なので、やや絡みがギクシャクした気も。

 交響曲5番については、木管はシェレンベルガーの薫陶よろしくか比較的安定しており、またよく問題になる2楽章冒頭のホルンソロも余裕は感じられなかったものの無難な演奏にまとまっていた。ただここでも金管がやたらに出張ってくるバランスの悪さは気になったところ。弦が若干弱めのところに金管がデリカシーなしにバリバリ来るので曲全体を通じて金管ばかりが聞こえてくる。この辺りは今後も課題になりそうな気がする。


 1年ぶりぐらいだが、以前から感じていた弦の圧力不足というこのオケの難点はまだ解消していないようである。単純に音量負けもあるが、音色自体があっさりしすぎていて今ひとつ淡泊に過ぎるのである。また金管のデリカシーのなさや木管も時折ヒステリックな響きになるとというような点も相変わらずというところか。

 

 ただ確実にファン層が増えてきているように思えるのは、この地域の音楽振興を考えた場合には喜ばしいことである。岡山フィルには今後も着実なレベルアップを期待したいところである。

 

 コンサートを終えると路面とJRを乗り継いで帰宅することに。お土産は当然のようにきび団子を購入したのである。

 

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