展覧会遠征 大阪ライブ編30

 

 今日はポリャンスキー指揮のロシア国立交響楽団の演奏会に出かける。ポリャンスキーと言えば、2年前にこのオケを率いて来日し、チャイコの4,5,6という無理ゲー三連発で圧巻の名演を残して大いに話題になったことがある。さてその名演の再現がなるかというところが興味深いところである。

 

 昼前に家を出ると、いつものように上等カレーでカツカレーを腹に入れてからホールへ。ホールの入りは8割程度と言うところか。やはりオケの知名度が低いせいか入りはそれなり。2年前の時もそうだった。

 


ロシア国立交響楽団 ≪シンフォニック・カペレ≫

 

[指揮]ヴァレリー・ポリャンスキー

[管弦楽]ロシア国立交響楽団 ≪シンフォニック・カペレ≫

 

ボロディン:歌劇 「イーゴリ公」より ダッタン人の踊り

チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 op.36

チャイコフスキー:祝典序曲 「1812年」 op.49

チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 op.64

 

 一般的に爆演型と思われているポリャンスキーだが、そのイメージと派手な指揮ぶりに反して、その音楽は様々な計算をしたなかなかに緻密なものである。もっともここ一番でのパワーの爆発が凄いので、爆演型のイメージがつくのだろう。

 この日は一曲目からパワー溢れる演奏だったが、二曲目の4番はやや抑えてきた印象。前回の三連荘の時は、4番は勢いで、5番は謳わせて、6番は張りつめた緊張感と持ってきたのであるが、今回は4番を謳わせて、5番でテンションを上げてきたというところ。コンサート全体の構成を考えて配分してあるのは明らかである。

 その合間でやんやに盛り上がったのが1812年。元々祝典序曲ということでロシアのオケだと盛り上がらないと嘘という曲だが、これを徹底して盛り上げてきた。場内もかなり熱を帯びたが、それを鎮めるかのように最後に鐘を引っ張る演出をしたのが憎い。

 やはり一番の名演は5番か。張りつめる緊張感の中でメロディを美しく謳わせるという見事な演奏で、最後まで観客を圧倒したのである。


 残念ながら2年前の「悲愴」の衝撃には及ばないが、かなりの名演を聴かせてくれたというところ。たっぷり2時間半に及ぶなかなかにCPの高いコンサートだったのである。

 

 

 

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