展覧会遠征 札幌・近畿編

 

 この週末は札幌まで飛ぶことになった。と言うのはドクターストップをおして来日したエリシュカの最後の公演を聴きに行くため。エリシュカの公演と言えば、先週に大フィルとの組み合わせでドボルザークの6番の名演を聴いたところであるが、今回はエリシュカが初来日した時の相手である札幌交響楽団と共に、その時のプログラムである「シェエラザード」を演奏することになった次第。これは最初から万感迫る名演になること確実。東京方面からも大勢が札幌に押しかけており、チケットもほぼ完売という大盛況である。私もチケットの一般発売日に慌てて何とかチケットを確保している。ただ急遽の予定だったため、金曜日の公演を聴いてから翌日に近畿にとんぼ返りしてびわ湖ホールのオペラを聴きに行くというハードスケジュールである。本来なら週末に札幌か函館辺りでゆっくりしてといきたいところなのだが。

 

 木曜日の仕事を早めに終えると、神戸空港まで急いで移動。ここからスカイマークで札幌まで飛ぶことになっている。しかし空港に到着したら「使用機体の到着遅れによる遅延」とのことで出発が30分遅れ。これならもっとゆっくりと出てきたら良かった。毎度の事ながらスカイマークならではである。30分遅れまではいわゆる「スカイマーク定時」。スカイマークは乗り降りのゴタゴタなどで常に出発が遅れていくから、その日の遅い便ほど遅れが大きくなる傾向がある。

 

 当初予定では空港では軽くうどんでも腹に入れておいて、札幌に着いてから夕食を摂るつもりだったのだが、これだと札幌に何時に着くやら分からない。仕方ないのでとりあえず「神戸洋食キッチン」でしっかりと夕食を摂っておくことにする。こんなことなら空港に直行せずに三ノ宮で食事してきたのだが・・・。

 

 注文したのは「アンガスビーフのステーキ膳(2030円)」。味はともかくとして、CPが激烈に悪いのは仕方のないところ。空港ビルの向かいにレストランでも進出してこないだろうか・・・。神戸空港はあまりに何もなさ過ぎる。

 夕食を摂るとしばしこの原稿を執筆しながら時間つぶし。まだ出発まで1時間近くあるし、30分遅れというのは目下の「予定」であって、実際にこれがさらに延びないという保証もない。こういう時が一番困る。とりあえず40分前にゲートをくぐってから、また時間つぶし。

 

 40分ほど待ってようやく飛行機に乗り込むが、その後は2時間弱の退屈な時間。気がつけばウトウトしたまま札幌に到着する。

 

 空港に到着したのは夜の8時頃。さすがに札幌は冷やっとしている。暑い思いをして一番分厚いダウンジャケットを羽織ってきたのだが、やはりこちらでは野外はこれで十分の寒さ。ただし屋内は暖房を効かせているので汗ばんでしまう。屋内で汗ばんだまま外に出ると、その汗が冷えて凍りそうになるという最悪の状況。

 

 空港快速で札幌に到着したのは夜の9時頃。とりあえずホテルにチェックインする。宿泊ホテルは私の札幌での定宿の一つ、ルートイン札幌駅前北口

 

 ホテルに荷物を置くと夕食パート2のために駅に繰り出す。やはり札幌まで来ておいて夕食が神戸空港では悲しすぎるというものである。立ち寄ったのはJRタワーの回転寿司屋「根室花まる」。実は今まで何度もこの寿司屋の前を通っているが、いつも大行列なので敬遠してきた次第。今日は平日のもう夜遅くなので、今だと行列も大したことがないだろうとの読み。予想に反して10組ぐらいの待ちがあったが、回転が早いので10分程度で入店できる。

 適当に寿司を9皿ほどつまむ。ネタはなかなか良い。ただ握りとしての技はなく、斜里がボロボロ崩れたりする。この辺りは回転寿司か。また私が好きな貝類がすべて売り切れていたのは残念。店内は結構狭く、カウンター席などはギチギチの中でひたすら寿司を腹に放り込むというところ。店内は活気があるというべきか、うるさいと言うべきか。ちなみに締めにかしわそばを頼んだのだが、これが意外にうまい。これだけ食べて支払いが2500円ほどというのはCPは非常に良い。これは確かに行列が出来るわけではある。こういう寿司屋に行くと、くら寿司なんかは行けなくなる。

 夕食パート2を済ませてホテルに戻ってくると大浴場でマッタリ。これがあってのルートイン。やはり手足を伸ばして入浴できる風呂は一番である。

 

 風呂上がりはテレビを見るが、ろくなニュースがない。先の選挙で惨敗した維新と希望は早くも内部がガタガタしてきたようだ。まあこれは予想通り。維新は橋下の希望は小池の個人商店みたいなものなのだが、両人とも明らかに力量がないのだから逆境になったらメッキが剥がれるのも当然。橋下はなんだかんだ偉そうに言いながら、その実は泥船化しつつある維新から逃げをはかっているし、小池は所詮は常に権力者に寄り添う政界芸者、独力で生きていけるわけもない。今回は選挙で確保した議席を携えて安倍にすり寄るつもりだったんだろうが、それが選挙民に見透かされてしまったのが今回の結果。やはり人の器量は逆境でこそ現れる。こいつらや馬鹿ボン総理を含めて、とにかく人の上に立つべきでないような輩ばかりがトップに立ってしまっているのが今の日本の不幸。こんな連中に日本を支配させるぐらいなら、いっそ私が支配した方が・・・「キルヒアイス、宇宙を手に入れたくなってきた」。

 

 夜が更けると共にどっと疲れが出てくるので、この日は11時頃には就寝する。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 爆睡していたのだが5時頃に中途覚醒してしまった。この後は8時頃まで半分寝ているような起きているような状態でウトウトと過ごす。

 

 8時前に起き出すと朝食。ルートインの朝食はいつも変わり映えがしないのが難点。とりあえず軽く朝食を済ませる。

 

 朝食を終えると朝風呂を浴びる。なかなか極楽気分。明日はANAの早朝便で神戸に戻るので、バタバタした出発になるだろう。今日ぐらいはゆっくりしたい。

 

 テレビをつけると昨日のプロ野球ドラフト会議のニュースを放送している。話題の清宮は日ハムが交渉権を獲得したようだ。それにしてもクジ運の強いチームである。現在は札幌駅は大谷翔平一色だが、彼も近々アメリカに渡るとの噂。そうなると札幌駅は今度は清宮がお出迎えとなるのだろうか。ただ今は大谷、その前はダルビッシュで、清宮には悪いが彼らと比べるとどうしてもビジュアル面が・・・。田舎のヤンキーみたいな中田翔と農村青年のような清宮の並ぶ日ハムのクリンナップというのもやはり絵的にはしんどいものがある。プロ野球選手に必要なもの「一に実力、二に幸運、三四がなくて五にルックス」。

 

 さて今日の予定だが、19時からKitaraで札響のコンサート・・・以外は何もない。現在は美術館の出し物もないし、もう既に札幌で回るべき定番観光地はほぼ回り尽くしているし・・・というわけて行くべきあてもないのである。これは困った。

 

 ぶっちゃけホテルの部屋で寝てても良いところだが、部屋の掃除があるので昼間には部屋を空ける必要がある。仕方ないので10時頃にあてもないままホテルから外出する。

 

 とりあえずは札幌定番の観光コースの中で数少ないまだ訪れていないスポットと言うことで、北海道庁旧庁舎を訪ねることにする。札幌駅から地下通路をプラプラ歩いて行くとすぐに到着する。

 旧庁舎は赤煉瓦造りの趣ある建物。周辺も公園となっているし、確かに観光で立ち寄るには良いところ。内部は無料公開されており、北海道開拓にまつわる資料や北方領土関係の展示などがなされている。ただご時世というか、こんなところにまで「萌え」が侵入していたのにはぶったまげたが。

落ち着いた建物の中が展示スペースとなっている

左 知事の執務室  中央 お菓子の庁舎  右 こんなところにまで萌えが進出

 旧庁舎を回り終えると全く行くあてがなくなってしまった。そこで旧庁舎東のビルに入るとターリーズで抹茶ラテを頂きながらこの原稿を打って時間をつぶしているという次第(笑)。

 

 さてそろそろ昼食だが、昼食はこのビルの地下の「うにむらかみ」に立ち寄ることにする。開店の10分前に店に行ったのだが、メニューを見ているうちに客がゾロゾロと増え、あっという間に20人ほどの行列。GWに函館に行ったものの、むらかみは長蛇の列で入店できなかったのでそのリターンマッチである。注文したのは「ウニ丼のSサイズ(2646円)」さすがに通常サイズは4000円ということでとても昼食にそれだけかけられないのと、札幌に来た以上うにだけでなくいろいろ食べたいという気もあっての選択。

 やはりウニが甘い。ホウ酸処理のような馬鹿なことをしていないので、ウニ本来のうまみが出ている。これが函館で私を魅了したウニである。久々にウニを堪能したのである。いささかの贅沢であるが、満足して昼食を終えたのである。

 昼食後はプラプラと札幌駅まで戻ってくると、札幌ビール園を訪問することにする。いわゆる観光ガイドに登場するような場所で、もう残っているのはここぐらい。そもそも私はビールはおろかアルコールが天敵のような人間なので、今までビール園を訪問する理由がなかった次第。

 ビール園へは直通のバスが出ているのでそれに乗車する。赤煉瓦の趣のある建物が見えてくるが、それがビール博物館。隣に商業施設のアリオがあるので降車客は結構多い。

 

 ビール博物館はサッポロのビール工場の見学。有料のガイドツアーと無料の見学コースがあるが、私は無料の方へ。明治時代に国策としての国産ビールの製造が検討され、そのための工場がここに建てられたということらしい。この裏では様々な権力的な駆け引きから、現場では明治版プロジェクトXといった苦労がもろもろあって国産ビール製造に成功するというわけである。その後、ビール工場は民間に払い下げられて現在のサッポロビールの前身となるが、さらに戦前の国策によるブランド統合、戦後は逆にブランドの分裂などが起こって今日に至るとのことらしい。

左 建物内を見学  中央 巨大な醸造タンク  右 当時のポスター

 ここはビール博物館以外はレストランだけ。赤レンガの建物などは趣があるものの、特別に見るべき場所があると言うほどでもない。またレストランはどこもジンギスカン食い放題が売りになっているのだが、さすがにそれに参加する気もしないのでブラリと一回りしてから、隣のアリオを覗いて見学は終わり。バスで札幌駅に戻る。直行バスで戻るのも芸がないので、大通り公園の方を回るバスで。途中では日本がっかり名所の不動の一位の札幌時計台の前も通る。

 日本ガッカリ名所筆頭、札幌時計台

 札幌駅まで戻ってくるとぽっぽまんじゅうを購入してからホテルに戻る。もう疲れたのでホテルの部屋で休むことにする。

 一休みしてからホテルを再び出たのは5時前。コンサートの前に軽く夕食を摂っておくべきだろう。やはり札幌に来たのならラーメンか。狸小路まで移動して「喜来登」味噌ラーメン(800円)を注文。ネギやもやしがたっぷりの野菜の多いラーメン。味噌の味が絶妙で、もやし嫌いの私がモリモリと食える。なかなかに食物繊維たっぷりのラーメンである。

 夕食を終えると市電でホールに移動する。日が沈んでから急激に辺りが寒くなってきている。そんな中、ホールはかなりの熱気。9割以上は入っているだろう。

  


札幌交響楽団第604回定期演奏会

 

指揮 ラドミル・エリシュカ

 

スメタナ 歌劇「売られた花嫁」序曲

ドヴォルジャーク チェコ組曲 ニ長調

リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」op.35

 

 エリシュカのファイナルということで、オケの方もかなり気合いが入っているのが伝わってくる演奏。札響とエリシュカの息も非常に合っており、実に中身の濃い演奏になっている。

 一曲目からエリシュカ得意のチェコプログラム。非常にノリの良い演奏となっている。もうこの曲の時点でオケの指揮者に対するリスペクトが伝わってくる。

 エリシュカが指揮すると、その楽曲が持つ舞踏のリズムのようなものが前面に出てくるのであるが、それが最もハッキリと現れているのが二曲目のチェコ組曲。これは日本では知名度が高いとは言い難い曲だが、非常に魅力的に聴かせる演奏となっている。

 最後はエリシュカも札響も思い入れがあると思われる「シェエラザード」。エリシュカが初来日した際に札響と共演したのがこの曲とのことで、予定の曲目を変更してまで臨んだ曲である。エリシュカの指揮は決して誇張や虚仮威しのない堅実なものであるが、細かいところまで計算し尽くした仕掛けが多々あり、札響もそのエリシュカの意図に的確に応えた名演となっている。管弦楽のうねるような迫力は圧巻であり、エリシュカの最後の来日を飾るにふさわしい非常に聴き応えのある演奏となった。


 演奏終了後は場内は大盛り上がりで、立ち上がる観客も多数。札幌でこれだけ盛り上がるのも珍しいのでは。演奏の内容もレベルが高く、わざわざ札幌まで来ただけの価値を感じさせるものであった。

 

 この日は満足してホテルに戻ると、そのまま入浴を済ませ、明日に備えて早め就寝したのである。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 翌日は6時前に目覚ましをセットしていたのだが、その1時間前に中途覚醒してしまった。仕方ないのでそのまま起床時間までウツラウツラと粘る。

 

 今日は9時前のANA便で神戸まで戻るので、早朝出発となる。とりあえず6時半にパンだけの簡易朝食を済ませると快速エアポートでさっさと新千歳空港に移動する。

 

 この早朝便の需要は多いのか満席の模様。後1時間ぐらい遅い便があっても良いように思うのだが、なぜかこれの次は昼頃まで便がないので非常に不便。なぜこんなスケジュールになっているのかは不明。新千歳空港は大勢の乗客でごった返しており、預け入れ手荷物カウンターなどは長蛇の列になっている。私は預け入れ荷物はないのでskipサービスですぐに出発ゲートをくぐる。出発まで1時間ほどなので、その間に買い求めた手鞠寿司が朝食パート2。

 神戸までは2時間弱。乗り込んだ途端に疲れが出てほとんど爆睡。次に気がついた時には神戸空港が近づいていた。台風の影響で神戸は雨の上に、気流も乱れていてここら辺りから飛行機が揺れまくって気持ち悪い。これ以上はやばいのではというところでようやく空港に着陸する。

 

 神戸空港に降り立つと京都まで移動。京都駅の飲食店で昼食に牡蠣フライ定食を摂ると、びわ湖ホールまで移動する。


沼尻竜典オペラセレクション ベッリーニ「ノルマ」

 

ノルマ マリエッラ・デヴィーア

アダルジーザ ラウラ・ポルヴェレッリ

ポッリオーネ ステファン・ポップ

オロヴェーゾ 伊藤貴之

クロティルデ 松浦 麗

フラーヴィオ 二塚直紀

 

指揮:沼尻竜典

管弦楽  トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア

合唱  びわ湖ホール声楽アンサンブル/藤原歌劇団合唱部

 

 ソリストは6人で、その中で主要キャラは3人という結構シンプルな構成のオペラだが、それだけにこの3人の実力ですべてが決まってしまう作品でもある。その点で本公演は実に見事なもの。ノルマを演じたデヴィーアの歌唱は見事の一言に尽きるし、ローマの軽薄男・ポリオーネを演じたポップの堂々とした歌唱がステージを盛り上げた。


 なかなかに良い公演だったが、私の想定外だったのは、ラストシーンで感極まって涙が出てしまったこと。今までオペラで泣いたことはない。場内もかなりの盛り上がりで、最後には会場内はスタンディングオベーション状態になっていた。

 

 ホールから出てくると天候は入場時よりも悪化。かなりの雨が降っている状態になっていた。その雨の中をホテルに移動する。今日の宿泊ホテルは瀬田のニューびわこホテル。温泉入浴施設が隣接しているホテル。チェックインすると早速入浴及び夕食を。

 

 入浴を終えて部屋に戻ってくると急激に疲れが出てくる。ベッドに倒れ込むとそのまま動けなくなり、結局は9時頃に寝てしまう。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 次に気がついたら夜中の12時だった。こんな時に起き出してもどうしようもないのでそのまま寝ることに。結局は起床したのは朝の7時。浅い眠りでダラダラと寝てしまったというところ。

 

 8時に朝食を摂ると部屋でしばしマッタリする。チェックアウト時刻は10時なのだが、今回はチェックアウトが12時のレイトチェックアウトプランにしている。隣の温泉施設が10時オープンなので朝風呂を浴びてからチェックアウトしようという考え。ただ気になるのは台風の動きである。

 

 とりあえず目下のところは雨は降っているもののそう激しくもない。朝風呂を済ませると11時頃にチェックアウトして大阪に向かうことにする。

 

 昼食は阪急の地下で摂ったが、ちょうど昼時のせいでどこも大行列。こんなところに並ぶ気もしないので行列のなかった「江戸川」に入店して「鰻重」を注文する。江戸前の柔らかいうなぎがなかなか。私は関西原理主義者だが、うなぎに関しては江戸前のうなぎでもOKという人間である。それにしてもうなぎも高くなった。シラスウナギの完全養殖技術の確立に期待するところ大である。

 昼食を終えると阪急で西宮に移動する。駅を降り立った頃には風雨が激しくなりつつあり、帰りのことが心配となる。

 


関西二期会第88回オペラ公演 ウェーバー「魔弾の射手」

 

オットカー侯爵 黒田まさき

クーノ 橘茂

アガーテ 老田裕子

エンヒェン 末廣亜矢子

カスパー 西尾岳史

マックス 竹内直紀

悪魔ザミエル・隠者 片桐直樹

キリアン 大谷圭介

花嫁に付き添う乙女 岩本実奈子 粉川陽子 中野綾 沼田葉子

 

指揮 キンボー・イシイ

合唱 関西二期会合唱団

管弦楽 関西フィルハーモニー管弦楽団

 

 さすがに昨日のノルマに比べると、ソリストの歌唱にいささかの力不足を感じずにはいられない。歌唱部分の力不足は、かなり派手な演出を加えることで、舞台自体を全体的に演劇寄りにすることで補っているという印象。悪魔ザミエルを常に黒幕として登場させることで、目の前の欲望につられて悪魔の気まぐれに振り回される人間の愚かしさのようなものを表現していたが、それはラストまで一貫しており、安直なハッピーエンドでなくて「?」と思わせる含みのある結末にしている。この辺りはなかなか斬新なのだろう。最後まで楽しむことが出来た。

 ただ演劇サイドからオペラに入った者にはこれで十分だろうが、私のように音楽サイドからオペラに入った者にとっては、やはり音楽面での物足りなさを感じないわけにはいかなかったとの言うのは事実である。


 公演を終えてホールを出てくると、外は台風による暴風雨・・・だろうと思っていたのだが、案に反して晴れている。ホールから出てきた客は全員「あれ?台風は?」という声を上げている。朝の天気予報では夕方から夜にかけて近畿に最も接近するとの事だったのだが。台風がそれたのか急激に弱体化したのか。後で調べたところによると、どうもその組み合わせだった模様。何にしろ帰りは心配していた交通機関の乱れも特になく、スムーズに帰宅できたのである。これも日頃の行いの良さというものか。

 

 

 

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