展覧会遠征 大阪ライブ編12

 

 祭日の今日はモスクワ国立交響楽団の演奏会を聴きに行くことにした。最初はJRで行くつもりだったが、やや早めに家を出たのと青空を眺めていたらふとドライブがしたくなったので、そのまま車で大阪まで移動する。多分コスト的には高くつくのだが、気分転換は必要である。

 

 大阪まで順調に走行、ホール最寄りの駐車場に車を入れるとまずは昼食を摂る店を物色する。最初は「Da-Wa」や「イレブン」を考えていたのだが、突然に目に飛び込んできた「肉肉ランチ」と書かれた看板に妙に心惹かれたことから「ビストロマネケン」に立ち寄ることにする。

 店は急な階段(年寄りにはキツそうだ)を登った二階。内部は小洒落たガーデン風というところか。若向きの店という印象がある。リブロースステーキWのランチ(1500円)を注文する。ドリンク、ご飯(カレーもあり)、スープが取り放題とか。

 200グラムのリブロースステーキはボリュームがある。アメ牛かオージーかは分からないが、やや強めのソースで味を付けているタイプ。まあ昼食としては文句ない。今後も使えそうな店である。

 

 昼食を終えるとホールへ。まもなく開場時刻になるので早めにホールへ入る。この1年間でこのホールに来た回数は10回を遙かに越えているので、最早私にはホームグラウンドの感覚である。


モスクワ国立交響楽団

 

[指揮]パヴェル・コーガン

[ピアノ]ダニール・ハリトーノフ

[管弦楽]モスクワ国立交響楽団

 

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番

チャイコフスキー:交響曲 第5番

 

 いきなり「あまり上手ではないオケだな」ということを感じる。アンサンブルに雑な感じがあり、金管は爆音で鳴らすだけというところがある。いわゆる典型的なロシアのオケのイメージである。さらに指揮者のコーガンはハイテンポで煽りまくるタイプなので、それでなくてもグチャグチャした印象のある「ルスランとリュドミラ」序曲の場合、崩壊寸前のかなり際どい演奏になる。

 ピアニストのハリトーノフは長身の美少年。大股の早足で颯爽と入場してくる姿は格好良くある。その演奏は若干の線の細さを感じさせるが、堂々とした安定したものでテクニック的にも全く不安を感じさせない。またバックのオケもチャイコになると先ほどよりは演奏が安定する。

 さて最後の交響曲第5番だが、これについてはコーガンが終始煽りっぱなしという印象。今までこれだけ高速の5番は聴いたことがない。またバリバリ鳴らさせるかと思えば、唐突に音量を極小まで絞ったりとコーガンの指揮はかなり仕掛けが多い。オケはどうにかこうにかそれについて行っている印象。コーガンの指揮はいわゆる爆演型と呼べるだろうが、果たしてこのオケにそのタイプの指揮がマッチするかは微妙なところがある。というのもアンコールのボッケリーニのメヌエットなどでは、このオケの弦がしっとりとした意外に落ち着いたアンサンブルを聴かせていたからである。


 ソリストアンコール一曲にオケのアンコールが三曲というサービス満点で、場内では結構盛り上がっている者もいたが、私はイマイチそれにはついていけない印象だった。楽しいコンサートではあるが、もう一歩かなというのが正直な感想。

 

 なお帰宅時には本公演のスポンサーであるヒガシマルから出汁酢と出汁のセットがお土産として配布された。そう言えば去年は「ちょっと丼」をおみやげにもらったっけ。

 

 コンサートを終えると夕闇迫る中を高速を突っ走って家路へとついたのである。

 

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