展覧会遠征 鳥取編4

 

 この週末は鳥取に行くことにした。理由は今月末までの地域振興券を入手できたから。所謂「税金で豪遊しようツアー」の第何弾目か(もう忘れた)である。

 

 出発は金曜の夕。金曜日の仕事を早めに終えるとスーパーはくとに飛び乗って鳥取を目指す。相変わらずスーパーはくとは轟音を立てながら角々とした走りで疾走する。鳥取にはあっという間である。

 

 鳥取は雪が積もっているだろうと思っていたのだが、降り立った鳥取駅は小雨がぱらついていて雪は全く見あたらない状態で拍子抜けする。これだったら鉄道でなくても車でも来れたかも。先週は南国和歌山で積雪を見るという信じがたい体験をし、今月は山陰で雪が全くないとはどうも訳の分からんことがあるようだ。

 鳥取での宿泊ホテルは「観水庭こぜにや」。実はこのホテルは以前から知っている。鳥取市内にある自家源泉を有する温泉ホテルということで目を付けていたところなのだが、如何せん宿泊料金が高いことから今まで見送っていたところである。今回、地域振興券と夕食抜きのビジネスプランの合わせ技でようやく私の予算範囲内に入った次第。

 

 夕食なしプランなので、ホテルに入る前に夕食を摂っておくことが必要である。そのための店は事前に目当てをつけている。私が入店したのは「村上水産」。鮮魚の卸商が経営しているという居酒屋である。

 注文したのは「刺身盛り合わせ」「エビフライ」「牡蛎フライ」の3点。刺身は中身は多彩で豪華。また当たり前のように鮮度も良い。エビの頭の中をすすっても臭みなどは一切ない。

 エビフライは大型のエビが3本も入ったボリュームたっぷりのもの。食べ応えがある。牡蛎フライは中サイズが5個入り。これも当然のように臭みなどはない。

 

 これに締めの「サケ茶漬け」を加えて支払いは3294円。驚異の高CPである。海産物の鮮度は良いし、鳥取侮り難し。

 夕食を済ませたところでホテルに移動する。ホテルは駅から10分ほど歩いたところ。観水庭の名の通り、池のある中庭を有するホテルである。私の部屋は離れの別棟。部屋はなかなか綺麗。

  

 チェックインを済ませると早速入浴。大浴場と貸切の家族風呂が2箇所。家族風呂の方は空いていたら自由に入って良いらしい。一方は普通の内風呂だが、もう一カ所は露天風呂。露天風呂の方に入ることにする。ここは含食塩・鉄分芒硝泉とのこと。地下100メートルから毎分20リットル湧出する湯を源泉掛け流しで使用とのこと。美肌や筋肉痛に良いとのこと。ややベッタリとした肌触りの湯で湯上がりにはサラッとする。なかなかに快適な湯である。これでしっかりと体の疲れをほぐす。

 

 風呂上がりにはアイスでマッタリ。なかなかに極楽気分である。

  

 このホテルは温泉旅館には珍しくWi-Fiの使用が可能。そこで調べ物などをしながらこの夜は更けていく。

  

☆☆☆☆☆

 

 

 翌朝は8時前までたっぷり寝てから起床。目が覚めるとまずは入浴である。家庭風呂の内風呂の方が空いていたからそちらで入浴。朝から肌になじむ良い湯である。

   ホテル玄関と中庭

 9時からレストランで和定食の朝食。品数も多くてご当地メニューなども含まれている。朝から飯がうまい。風呂といい、朝食といい、なかなかに満足度の高いホテルであった。

 9時半頃にホテルをチェックアウト。駅まで送迎してもらう。鳥取駅に着くと、とりあえず重たいキャリーはコインロッカーに入れ、身軽になったところで鳥取市内の散策をすることにする。

 

 とは言うものの、実のところ何もプランがない。今回は「温泉でゆったり」をメインに考えていたので、遠征自体が無目的に近い。実のところ、今回の鳥取には目的になるような場所はないし、ましてや今回のように車を持ってきていない場合には選択肢はほとんどない。市立博物館は現在は端境期で何もないし、いくつかある城郭は車がないとアクセスが困難な場所ばかり。結局は月並みではあるが「砂丘にでも行くか」ということになる。

 

 砂丘までは観光ループバスが出ているのでそれに乗車。途中で鳥取城の前を通る。以前に訪問した時には水切れのせいで登った時にはほとんど死にそうになったのだが、今改めて見上げてみると全く登れない山とは思えない。ただし現在の体力はピーク時よりもかなり落ちていることが確実なので実際にはどうかは分からないが。

 

 砂丘に行くと決めた時には砂の美術館を訪問することを考えていたのだが、バスの中で調べたところ、現在は展示替えで閉館中であることが判明。いよいよもってやることがなくなってきた。仕方ないのでとりあえず砂丘展望台を訪れることに。

 砂丘センター展望台

 砂丘展望台は砂丘を一望できる展望台なのだが、だからと言って何があるというものでもない。しかもこの展望台を登るだけで足が重くて息が上がる自分に愕然。この弱りっぷりではとても鳥取城攻略どころでないのは明らかである。どうやら私の体力低下は想像を超えていたようだ。なお展望台からは確かに砂丘を見渡せるが、絶景というほどの高さはない。

 展望台を降りるとリフトで砂丘入口まで移動する。どうせここまで来たのだから馬の背ぐらいまで行くことにする。前回の訪問時には砂丘の砂が靴下の中にまで入ってひどい目に合った記憶があるので、今回はリフト利用者に貸し出される長靴を履いていくことにする。これで装備は万全だ。

   リフトで移動

 足下は昨日の雨でやや固まっていて、ズブズブと足が沈むという状態ではない。しかしそれでもやはり砂丘を歩くのはかなりキツイ。しかも久しぶりに訪れた馬の背は、私の記憶よりもさらに険しいものだった。馬の背との往復だけでもかなり体力を消耗することに。しかし驚いたことに砂の上にヒール靴の足跡がある。どんなところでもヒールでウロウロする女性は、考えようによってはフル装備で険しい山岳に挑む山男よりも猛者と言えるかもしれない。

左 らくだに乗れる  中央 向こうに見えるのが馬の背  右 馬の背より望む日本海

馬の背より振り返って

 馬の背からの風景を堪能してから戻ってくると、いささか早めだが昼食を摂ることにする。数年ぶりに「鯛喜」を訪れる。この店も有名になったのか予約客優先の張り紙が出ている。混雑時などは予約客だけで一日分が塞がってしまうことがあるらしいが、幸いにして私の訪問時には何とか滑り込むことが出来た。前回同様に「海鮮丼(1200円)」を注文する。

 最近は観光客向けに海鮮丼を出す店が多いが、よくよく考えると海鮮丼とは実によくできたメニューだ。と言うのはこれは刺身さえ用意できれば調理師も板前も不要でパートのおばちゃんでも作ることが出来る。それにも関わらず見た目は豪華で客も喜ぶという便利メニューである。なおここの海鮮丼は普通の白飯の上に刺身を並べていたが、私の好みから言えば酢飯の方が良いなということを感じた。ただ多種の刺身がゴッチャリと乗っている物量は相変わらずで、もろに観光地の食堂でこの内容というのはある意味では驚異ではある。

  

 昼食後は砂丘会館で土産物を買い求めてからループバスで鳥取駅に戻る。鳥取駅直行のバスに乗っても良かったのだが、時間は余っているのであえて鳥取港経由の大回りで鳥取市街見学である。鳥取港周辺はカニの直売所などを中心に観光客がごった返しているのが外からでも分かる。ただ私自身はカニにはそこまでの思い入れはない(むしろクエの方が思い入れはある)。

左 マンホール蓋  中央 因幡の白ウサギ発見  右 産直ショップ

左 地元のお茶  中央 なぜかアール・ヌーヴォー調  右 こ、これは・・・

 鳥取駅に戻ってくると駅前をしばしウロウロして若干時間をつぶす。地元産品の展示をしているショップでお茶を購入したりなどしたが、駅前にはこれといって特に立ち寄るところもないので一回りすると駅に戻ってくる。駅に戻ってくるととっとりライナーの発車時間が近づいていたので、ホテルに倉吉への到着時間を連絡して送迎を依頼する。倉吉まではとっとりライナーで50分程度。倉吉周辺は結構都会であるが、鳥取と倉吉の間には何もない。

コナンペイントのとっとりライナーで、梨汁サイダーを頂きながら倉吉へ移動

 今日は三朝温泉に宿泊する予定。今回の遠征の主目的をあえて上げるとすれば三朝温泉宿泊である。三朝温泉はラドン泉で知られる古湯であるが、今まで訪問したことがない(価格帯が高めの旅館が多いのが最大の理由)。そこで今回、半額税金持ちで訪問してみたいと考えた次第。

 

 倉吉駅に到着すると改札前で旅館の名前を書いたお迎えが到着していて案内される。送迎車には「開湯850年」の表示がされている。

 三朝温泉は倉吉から南部の山岳地帯に15分ほど走った山間、三徳川の両岸に広がる歴史のある温泉街である。私の宿泊するのは清流荘。三徳川の北岸にあるホテルである。とりあえずチェックインを済ませると温泉街の散策に出ることにする。

   窓の外は三徳川

 三朝温泉街は鄙びた風情のある趣のある町並み。射的屋などがあるのがなかなかに泣ける。ただ一カ所だけ頭のおかしな奴がいるらしく(愛国心を謳っているつもりのようだが、あの無粋さは日本人としての慎みが0である)醜悪な看板で風情をぶちこわしていたのが気になったが、温泉街全体としてはなかなかに良いムードである。

 外湯のたまわりの湯やら三朝神社(さすがに手水がお湯である)などをフラリと散策しながら温泉街を一回りしてからホテルに戻る。

三朝神社の手水は温泉の湯

 ホテルに戻ると数カ所ある浴場をはしごする。このホテルは内風呂が2つに露天風呂、さらに貸切浴場を持っている。サービスということで5時から貸切露天風呂を使えることになっているので、それまでの30分強で3つの浴場をはしご。烏の行水の連チャンである。

   露天風呂のかじかの湯

 白狼の湯は神の使いの白狼が教えたという伝説付きの風呂だが、浴場自体は特徴のない小さな内風呂。もう一つの内風呂である豆狸の湯は巨岩ゴロゴロの岩風呂。ただやはり私は鬱蒼とした中にある露天風呂「かじかの湯」に一番心惹かれる。なおここの表に飲泉所があり一杯頂くが、若干の塩味がある比較的クセのない湯である。

 

 烏の行水を繰り返した後に、最上階にある貸切露天風呂でマッタリとくつろぐ。川を見下ろしながらの露天風呂が極楽気分。ここでじっくりと入浴して三朝温泉の湯を楽しむ。

   貸切露天風呂

 露天風呂から戻ってくるとすぐに夕食。夕食は部屋出しでカニを中心とした会席。カニ鍋に焼きガニに茹でガニとカニ尽くしである。うまいのだがやはりカニは食べにくい。カニというのはつくづく上品に食べにくいものである。私のような不器用な人間だと、どうしてもテーブルの上に細かなゴミが散乱するし、両手もベタベタになる。

 とりあえずカニを堪能すると、テレビを見ながらしばしマッタリしてから再び入浴に行く。向かうは露天の「かじかの湯」。日が沈んで外はやや肌寒くなっているが、その中での温泉が快適である。

 なしドリンク

 部屋に戻ってくるとかなり疲れが出てきた。テレビのチャンネル数が少ない上にそもそもろくな番組もないことから早めに就寝する。

  

☆☆☆☆☆

 

 

 翌朝は7時に起床。結構爆睡していたのだが、隣か上の部屋が大きな物音を立てたので目が覚めた。起き出すとまずは朝風呂で目を覚ます。今朝は男女入れ替えになった内風呂の「さくらの湯」。朝から湯に浸かるとあまりの快適さに思わずボワーンとなりそうになる。

 

 朝食は8時からホールで。オーソドックスな和定食にうどんがついている。また麦飯とろろがありがたい。朝からしっかりと頂く。それにしても日頃は朝食はのどを通りにくいことが多いのに、旅先になると朝から食欲がわき上がるのはいかなることか。前日の夕食が早めなのと、夜におやつの類をほとんど取らないのと、早めに就寝するのが効いているのか。やはりもっと日頃の生活全般を見直す必要がありそうだ。

  

 今日の予定は全くなく、早めに帰宅するだけである。ホテルをチェックアウトしたのは9時半。倉吉駅まで送迎してもらう。倉吉駅で土産物の追加を購入すると、スーパーはくとに乗車。なお座席については購入時には特に何も指定しなかったのだが、私の席は先頭車の最前席といういわゆる「鉄オタ向けかぶりつき席」になっていた。この席は一度は座ってみたいと思っていたところではあるのだが思わぬ形で実現することとなった。とは言うものの、5号車の指定席にいるのは私一人。うーん、これではまるで私がかなりの鉄オタみたいではないか・・・。

 スーパーはくとの鉄オタかぶりつき席

 倉吉駅を定時に出たスーパーはくとは、対向車とすれ違ったり、先行したとっとりライナーを追い越したりしつつ鳥取駅を目指すが、倉吉からしばらくは線形の悪さもあってあまり速度が上がらない。スーパーはくとがその真価を発揮して120キロで突っ走りだしたのは鳥取も近づいての直線になってから。

左 スーパーはくととすれ違い  中央・右 鳥取駅近くのストレートコースで120キロが出る

 鳥取駅で多くの乗客が乗り込んできて因美線に突入。しかし智頭までは細かいカーブが多いせいでやはり速度は上がらず最高100キロ程度。再び本領発揮になるのは智頭急線に突入してから。高速対応設計の智頭急線は、高架路線の上に急カーブにはバンクが付けてあるので100キロ以上で通過できるカーブも多い。ここではスーパーはくとは轟音を立てながら高速で疾走できる。最高時速は125キロまでは出ていたようだ。私は以前からこのカクカクとした走りが好きなのである。

因美線に突入すると車体を傾けながら疾走

 結局はかぶりつき席でスーパーはくとを堪能して帰宅することと相成ったのである。ところで今回の遠征の目的って何だったっけ?

 

 一連の「税金で豪遊」シリーズの多分最後になるだろうのが今回の遠征。なお今回の遠征で使用した税金は、この夏の選挙で自民党がマスコミを動員した大宣伝放送と誤魔化しで勝利すれば、何倍にもなって搾り取られるであろうことは確実で、またそうやって回収した税金は安倍やその側近に漏れなくばらまかれることになるということも分かっている。全く救いのない国である。

 

戻る