展覧会遠征 大阪編6

 

 夏休みを前にして、大阪・京都で押さえておきたい展覧会が複数現れた。最初は一気にまとめて見学しようかとも思ったが、この暑い最中にそれはしんどい。結局は二週に分けることにした。まずは今週は大阪から。

 

 本来は午前中に出かけるつもりだったのだが、仕事の疲れか昼前まで爆睡。結局は出かけた時には昼前という状態に。まあ今日はサクッと回るだけのつもりだから時間はあるだろうが。

 

 JR大阪駅にたどり着くと最初に向かったのは阪急百貨店。まずはここで開催されているエヴァ展を見学しようという考え。


「エヴァンゲリオン展」阪急梅田ギャラリーで7/14まで

  

 一大ブームを巻き起こし、社会現象までなったエヴァンゲリオンに関する資料を展示。展示されるのはセル画や絵コンテ、原画等。アニメの制作過程が分かる展示になっている。

 マニア垂涎というところなのだろうが、オタク現役時代から元々この手の資料には特に興味を持っていなかった私としては、まして現在のような「元」オタクの状態となっては、設定資料や原画の類に別段強い興味が湧かなかったりするのが本音。むしろ感心したのは多くの人間がかなりシステマチックに動いてようやくアニメーション作品が制作されるという事実。これらの人間を統率するのはほんの数人で、後の多くは自分の持ち場でかなり細かい仕事をすることになるのだが、元々クリエイター気質の彼らにどうやってモチベーションを維持させるのだろうなどというマネージメント的な部分が気になってしまったりした。


 かなり物販部門が充実していたし、ファンも大勢押しかけていたようだ。ファン層の平均年齢が結構高いのがこの作品の特徴の一つでもあると感じた。私も昔なら物販コーナーを回ったのだろうが、今ではこの手は完全に卒業してしまっている。成長したのか単に老いたのか(いや、ただ単に趣味が変わっただけかもしれない)。

 もう昼を過ぎているので次の目的地に向かう前に昼食を摂ろうとレストラン街に出向いたが、どの店も行列が出来ている状態。私は基本的に食べ物のために行列に並ぶという習性はないのでさっさと阪急百貨店を後にする。次に向かったのは阪急三番街だが、ここも飲食店には長蛇の列。結局はウロウロと探し回った挙げ句に、待たずに入店できる「江戸川」に入店する。注文したのは「うな重(上)3100円」

 うなぎについては関西流と関東流で焼き方が異なり、関東式の柔らかいウナギを邪道と言って口にしない関西原理主義者も少なくない。なお東京の食文化に対しては批判的な私だが、なぜかウナギについては関西流でも関東流でもどちらでも食べる。関東流はウナギの柔らかさを、関西流はウナギの香ばしさを楽しむという具合。ここの関東流ウナギは甘めのタレが結構私の好みだったりする。ただウナギ自体は良くも悪くないというところ。確かに同じ関東流ウナギでももっとおいしいところも何軒か体験している。なお驚いたのは私の会社の福利厚生の割引が効いたこと。2100円以上の飲食で一割引だそうな。

  

 とうとうニホンウナギがレッドリスト入りとか。これからはウナギもなかなか食べにくくなるのだろうか。日本の水産技術の総力を結集して、ウナギの完全養殖の実用化を実現するべきである。今後はシラスウナギの漁獲制限などが課される可能性が高いが、その時には重要なのは中国に密漁などの好き勝手をさせないこと。とかくあの国は目先の金のためなら乱獲して資源を枯渇させるということを平気でやってしまう。中国にしてもアメリカにしても、基本的に大陸国は環境を破壊してしまえばその土地を丸ごと捨てれば良いという発想があるので、そもそもの環境保護意識が極めて低い。そこは日本やヨーロッパのような狭い国と発想が根本的に異なるのである。とにかく完全養殖技術の確立以前に天然ウナギが絶滅という事態だけは避けてもらいたいものである。

 腹を満たしたところで次に向かうのはあべのハルカス。ハルカス美術館で開催中の展覧会を鑑賞するのが目的。ついでにあわよくばハルカス展望台に上ろうかとも思っていたが、当日券売り場の前には長蛇の行列で瞬時に諦めた。まだ1年ぐらいはほとぼりが冷めないのだろうか。

 券売所は大行列


「ミラノ 華麗なる貴族コレクション展」ハルカス美術館で7/21まで

  

 イタリア・ミラノの邸宅美術館・ポルディ・ペッツォーリ美術館の所蔵品を展示。ポルディ・ペッツォーリ美術館はこの邸宅の主であるジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリが一族に代々受け継がれてきた絵画・工芸品などを美術館として残したものである。

 展示品は名門貴族の所蔵品らしく、華麗で豪華なものが多い。展示品には甲冑の類いもあるが、それらにしても華麗な装飾の施された芸術的なものであり、工芸品などについては贅を尽くしている。

 ただ上流貴族のコレクションという性質上、絵画作品などは当然のように尖った作品はなく、ルネサンスから19世紀までの保守本流に属する無難な作品が多い。結果として肖像画や宗教画が多くなる。イエスや天使の絵には全く興味のない私としては、その点がややツラいところ。


 これで今週の予定は終了、家路につくことにした。

 

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