展覧会遠征 林田編

 

 今年の夏はかなり厳しいが、身体の疲労がなかなか抜けないような感じである。そこで土曜日は丸一日ほとんど寝ていたのだが、そうすると今度は気分が鬱に入ってくる。そこで日曜になって休養のために日帰り温泉にでも出かけようと考える。どこに行こうかと思案したところ、しばらく行っていなかった安富花温泉にでも行こうと思いつき出かける。

 

 太子竜野バイパスから姫路西バイパス、姫路北バイパスを経由して北上、因幡バイパスを安富に向かう。途中、林田にさしかかったところで「←林田陣屋跡」という表示を見かける。そこで立ち寄ることにする。

 

 この辺りはかつては林田藩の城下町だったらしい。ちょうど林田藩の藩校だったという敬業館が公開されているというので見学に立ち寄る。

 会津の日新館や足利学校などと共通の雰囲気はあるが、林田藩が小藩だったためか規模は小さい印象である。しかしこのような小藩までこのような施設を持っていたというところに日本が以前から教育に熱心だったことがうかがわれる。

 

 敬業館の見学の後は「林田陣屋」の見学・・・と思ったのだが、場所がどこか分からない。敬業館の隣に小学校があり、その北に神社があるのでその辺りが怪しいと思ったのだが、神社に登っても何の表示もない。

神社の脇を登ってみても畑?のようなものがあるだけ

 諦めて先を急ごうかと車に戻ったところで、ハッと気が付いてもしやと神社の前の狭い道に車を乗り入れてみると、行き止まりに案の定「林田陣屋跡」の碑が。結局は神社の西側の林のような場所が陣屋跡だったらしい。となると神社の敷地も元々は陣屋の一部か。どちらにしてもやはり小規模な施設であったようである。

思いついて神社手前のこの狭い道を突き進むと陣屋跡の看板が。結局はこの畑?が陣屋跡
 神社の立派な石垣は往時のものなんだろうか?

 陣屋跡を見終わると市街も見ておこうかと通りを南下。するとかなり立派なお屋敷がある。これは三木家住宅といって当時の庄屋の屋敷で、県の指定文化財らしいのでこれも見学しておく。

左 門  中央 立派な母屋  右 裏手には倉

左 母屋内部(良い木を使っている)  中央 裏手の倉に続く廊下  右 庭園

左・中央 こちらの西湯殿は普通の風呂  右 これが非常に珍しい蒸し風呂

 非常に立派な屋敷であるが、この屋敷で特徴的なことは蒸し風呂を持っていることらしい。また倉が三つも建っていたり、ここの主はかなり富裕な人物であったことがうかがわれる。

 

 林田の町自体は陣屋跡と三木家住宅以外は残念ながら今では普通の町であるので先を急ぐことにする。安富に向かって北上、するとすぐにはやしだ交流センターゆたりんなる日帰り温泉の案内を見かけるので、とりあえず行きがけの駄賃に立ち寄ることに。

 ゆたりんは最近出来たのか新しい施設。農産物直売所なども隣接していて、結構客が来ている模様。

 

 内風呂と露天風呂があり、露天風呂の脇の小さな浴槽が源泉風呂ということになっている。ただ塩化物泉とのことなのだが、あまり強い味もしないし特別な浴感もない。

 

 施設は綺麗し、レストランなんかもあるので人気が出るのは分かるが、単純に温泉単独で考えると特別な魅力を感じる泉質でもない。風呂上がりにレストランでかき氷をかき込むと花温泉を目指すことにする。

 

 ここから花温泉までは10分程度。しかし現地に到着するとどことなく雰囲気がおかしいことに気づく。あまりに人の気配がない。そこで施設の前まで車で乗り入れてみると「休館」との貼り紙が。どうも今年の2月ぐらいから休館の模様。再開の日程などの記載もなく、何かの工事をやっている様子もないことを考えると、休館という名の実質閉館のようである。これを見た途端に思わずガックリと身体から力が抜ける。確かに以前から客で一杯という様子ではなかったが、まさか閉館とは・・・。泉質的には申し分なかっただけに残念である。しかし雨後のタケノコのように温泉施設が乱立している今日では、泉質だけでは生き残れなかったか。ここの施設のつらいところは、周囲に観光的な要素が全くないことである。またゆたりんのオープンがトドメになったのかも知れない。

 

 結局はガックリとテンションの落ちたまま帰途につく羽目になったのである。よい温泉に立ち寄ることも考えたが、もうそんな気力は残っていなかった・・・。

 

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