展覧会遠征 神戸編5

 

 日本海沿岸では記録的な豪雪で大変なことになっているようだが、ここ瀬戸内沿岸は冷え込みはキツいものの比較的穏やかな天候である。先週は朝から雪がちらつくというとんでもない天候に家にお籠もりだったが、今週は近場に出かけることにする。神戸の展覧会周回である。

 

 先週の仕事が忙しくて体に疲労が溜まっていることもあり、交通手段には車を用いる。昼前頃に出発、三宮に到着すると大丸駐車場は満車で行列ができている。それを横目に見ながら、手前の大丸提携駐車場の方に車を入れる。

 


「ワイドビューの幕末の絵師−貞秀」 神戸市立博物館で2/13まで

 歌川国芳の一門で、幕末期に頭角を現した浮世絵師・五雲亭貞秀の作品を集めた展覧会。

 最初は豪快な武者絵で有名になった貞秀であるが、彼が最も得意としたのは、3枚以上の版木を連続させるパノラマ絵のような巨大作品である。この大画面を使用しての劇的画面構成は高度な構成力を感じさせるものである。

 ペリー来航の動乱時代を経て、彼の作品の主題は国際都市「横浜」や日本各地の風景などに変わっていくが、そこで示されるのもやはり高度な構成力と細部にわたる精緻な描写である。特に風景図などにおいてはかなり大胆なデフォルメなどが行われることがあるにも関わらず、全体的な印象としてはむしろリアルに見えるというところがある。またこれらの作品が鳥瞰図で描かれていることから、彼が地図制作者としての才能も持ち合わせていることが伺える。

 さすがに国芳一門と言うべきか、かなり異端な印象の絵師であるが、なかなかに興味深いところであった。このような人材が輩出するのも動乱の時代ならではなのだろうか。


 博物館の見学を終えると大丸に移動、9階のミュージアムに直行する。

 


「ウッドワン美術館名品展」 大丸神戸で1/24まで

 

 ウッドワン美術館が所蔵する日本近代画の名品を展示。

 展示作品は洋画から日本画に及ぶが、蒼々たる作家のいかにも彼ららしい作品が登場するので、絵画に造詣が深いとは言い難い私でも、展示作品の半数ぐらいは誰の作品かが一目で分かるぐらいであった。実に教科書的というか、ビッグネームの代表的作品が並んでいるという印象。そのまま日本近代絵画の潮流をつかむに適した展覧会であり、初心者でもかなり楽しめるものであったと感じられる。


 これで三宮での予定は終了、とりあえず昼食を摂ることにする。最初は手っとり早く大丸内で昼食を摂ることを考えたが、昼時のせいかどこも行列ができている状況。もともとCPの悪い大丸内のレストランで待ってまで食事をしたくはないので、地下で駐車場代代わりのフランクフルタークランツとバームクーヘン(計3000円)を買い求めると、大丸を後にする。

 

 結局は元町で目に付いた中華料理屋に入店、炒飯と酢豚を注文。醤油ベースの炒飯は私の遠い記憶にあるかなり懐かしい味だが、それ以外はこれという特徴はなし。特にCPが非常に悪いのが気になった。ここは失敗。

 駐車場に戻って車を拾うと(大丸3000円買い物で駐車場代2時間無料)、次の目的地に向かう。

 


「森村泰昌 なにものかへのレクイエム−戦場の頂上の芸術」 兵庫県立美術館で4/10まで

 

 「ナリキリスト」「単なるコスプレマニア」「究極のナルシスト」などいろいろと呼び方のある森村泰昌の展覧会である。彼の芸風は一貫して、歴史上や芸術作品上の人物に扮するという作品である。

 本展でもレーニンからチェ・ゲバラなどあらゆる人物になりきった作品が登場する。まあ果たしてこれが芸術かどうかには異論もあるところだが(これが芸術なら、秋葉原や年末の有明はアーティストばかりである)、本質的にインパクト勝負の一発芸という現代アートとしてはありだろう。感銘を受けるかどうかはともかくとして、彼のなりきりぶりには半端でないものを感じさせられる。


 以上で本日の予定は終了。阪神高速経由で帰途につくことにする。

 

 

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